Google Cloud Platform を活用し約6カ月で統合データ分析基盤を構築
常に最新データを利活用できる環境で「ふるさとチョイス」のサービス強化へ

株式会社トラストバンク

お客様の要望

  • 多彩なデータの活用・分析によりイノベーションを創出し、サービスの強化につなげたい

  • 膨大なデータに対応可能な処理能力をもった統合データ分析基盤を構築したい

  • 社内ユーザが、ストレスなく最新のデータで分析できる環境を整備したい

ZEALにした決め手

  • GCPをベースとした統合データ分析基盤の構築に、データ活用に関する高い知見とサポート力を評価

  • 要望に対してジールが先行して要件を整理・提案を行うなど、主体的なサポートを実践

効果・実績

  • ジールの支援のもと、数億レコードを取り扱う大規模統合データ分析基盤をすべてリモートで約6カ月という短期間で構築

  • ジールの確かなインテグレーションにより、社内ユーザが最新データを利用できる仕組みを実現

  • あらゆるデータを統合・分析できる基盤を実現したことで、さらなるサービス強化に向けた施策の立案が可能となった

背景と課題

ふるさとチョイスのサービス強化に向けて 統合データ分析基盤の整備・構築に踏み出す

「自立した持続可能な地域をつくる」ことを企業ビジョンに掲げ、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を企画・運営するトラストバンク。2021年7月現在、契約自治体数は約1600団体、掲載するお礼の品は37万点にも上る。一方、自治体の業務効率化を支援するパブリテック事業も展開しており、「地方の課題を解決する」ことを最優先すべきミッションとして、その取り組みも加速している。

そうした中、同社の喫緊の課題として浮上していたのが、統合データ分析基盤の構築だった。
株式会社トラストバンクのCTOであり、ふるさとチョイス事業本部 デベロップメントデザイン戦略ユニット 部長の山﨑 賢氏は、「ふるさと納税という事業には未開拓の領域が存在しており、さまざまなデータを収集・分析・活用することで新たなイノベーションを創出できる土壌が残されています。しかし、これまでの当社のデータ分析環境は、基幹系システムから出力されるデータを用いた経営分析が多く、データ利活用をさらに推進させる余地が残っていました」と説明する。

「そこで基幹系システムのデータだけでなく、Webの行動履歴など、多種多様なデータを収集・統合するとともに、それらを社員が自由に加工・分析する環境を構築することで新たな発見を促し、サービスの強化につなげていこうと考えたのです」(山﨑氏)

株式会社トラストバンク CTO ふるさとチョイス事業本部 デベロップメントデザイン戦略ユニット 部長
山﨑 賢氏

採用のポイント

プラットフォームにGCPを採用
優れた知見と熱意を評価しジールをパートナーに選択

トラストバンクが統合データ分析基盤のプラットフォームとして選択したのが、データウェアハウスサービス「Google Cloud BigQuery」(以下、BigQuery)をはじめとした、Google Cloud Platform(以下、GCP)のサービス群だ。「BigQueryを選んだ理由は、性能やスケーラビリティ、取り扱いが容易であることなど、クラウドサービスとして優れていたことに加え、当社がWebサイトのアクセス解析で利用しているGoogle Analyticsとの親和性の高さを評価しました」と山﨑氏は話す。

そして、GCPを活用した統合データ分析基盤を構築するにあたり、トラストバンクがパートナーとして選択したのがジールである。「統合データ基盤の構築に優れたパートナーを探していたところ、紹介を受けたのがジールでした」と山﨑氏は振り返る。
「ジールはデータに関する高い知見を持っているだけでなく、初回の面談時から主体性を持ってプロジェクトに取り組んでくれる熱意を感じました。当社からの要望に先回りして提案を行ってくれるほか、必要な人材を適材適所でアサインしてくれるなど、『ジールであれば、このプロジェクトを成功させることができる』と確信させてくれました」(山﨑氏)

導入のプロセス

すべてリモートでの対応にかかわらずジールの導入・構築支援により、約6カ月で大規模データ統合分析基盤を構築

ジールの支援のもと、2020年5月に統合データ分析基盤の構築がスタート。
7月~8月に計画策定、9月には設計・構築を経て2021年1月には本番運用を開始することができた。GCPをプラットフォームとした今回の統合データ分析基盤は、数億レコードものデータを取り扱う非常に大規模なものとなっている。
山﨑氏は、「これまでの私の経験でも、およそ6カ月間でビッグデータ分析が可能な基盤を構築し、運用にまで漕ぎつけられたケースはめったにありません。しかも新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、すべてリモートによる支援の中、このように短期間での構築ができたのはジールの尽力が大きく、さまざまな側面から数多くのフォローを頂き、とても感謝しています」と評価する。

プロジェクト推進・技術支援のポイント①
理想の統合データ分析基盤の実現に向け、先手先手の提案を実施

プロジェクトマネージャーのジールの瀧澤 祐樹は、「カットオーバーまでのスケジュールがタイトだったこともあり、リモートによる定例ミーティングでその都度、ジール側から統合データ基盤の『あるべき姿』に向けた論点を提示するとともに、その実現のために先回りして提案を行うなど、プロジェクトの着実な推進に尽力しました」と話す。

株式会社ジール アプライドアナリティクス&インテリジェンス ユニット ユニット長
瀧澤 祐樹

株式会社ジール アプライドアナリティクス&インテリジェンス ユニット コンサルタント GCP SME(サブジェクトマターエキスパート)
眞城 佑友

また、ジールの眞城 佑友も「GCPのシステムアーキテクトとして、トラストバンク様の要望を踏まえつつ、将来的な拡張性も見据えながら、GCPの最新サービスの検討と検証を重ね、最適なテクノロジーの選択に努めました」と説明する。

プロジェクト推進・技術支援のポイント②
2つのテーブルを用意し、常に最新のデータが利用可能な環境を実現

今回の統合データ分析基盤の構築に際して、山﨑氏がこだわったポイントは、「常に現場のユーザが最新のデータを利用できる」ことだった。「よくデータは川の水の流れに例えられますが、上流で水が堰き止められてしまったら、下流には古い水しか流れていきません。現場の利用者まで毎日、新鮮なデータが提供されることをプロジェクトの必達事項として、ジールに相談しました」と山﨑氏は話す。

ジールの王 超楠は、「この要件を満たすため、A/Bの2つのテーブルを用意し、テーブルに収集されるデータがすべて最新のものに更新されたことを検知したら、ユーザに提供するという仕組みを構築しました。さらに、A/Bのテーブルも毎日切り替えるように設定しており、データの鮮度を保つとともに可用性も維持できるようにしています」と加える。

株式会社ジール データアナリシスプラットフォームユニット シニアアソシエイト
王 超楠

株式会社ジール データアナリシスプラットフォームユニット コンサルタント
藤原 正幸

同じくジールの藤原 正幸も「この仕組みの実現に向けて、ワークフロー管理プラットフォーム『Airflow』を活用したのですが、非常に自由度が高く、かつ、作りこむほどに知見も蓄積され、最終的にトラストバンク様の要望に沿えるような機能を実現できたと考えています」と説明する。

プロジェクト推進・技術支援のポイント③
ジールと歩調を合わせながら大容量データの移行を実施

既存環境から統合データ分析基盤への数億レコードに及ぶ膨大なデータ移行も、ジールの支援を得られたことで、着実に進めることができた。瀧澤は「データ移行に際してはいくつかのパターンも勘案しましたが、最終的にはデータを分割し、山﨑様と王が声をかけ合いながら順次、手動で移行するという手法をとりました。このやり方が最も正確で安全であると考えたからです」と説明する。山﨑氏は、「王さんは取り込んだデータについて、抜けやエラー等の発生を1つ1つ細かくチェックしてくれました。データ移行後の検証まで行ってもらえたので、とても助かりました」と評価する。

導入効果と今後の展望

データ活用の裾野を広げることで、より効果的なサービスの創出と提供に邁進

株式会社トラストバンク ふるさとチョイス事業本部 事業推進室 室長
勝 伸司氏

今回の統合分析データ基盤の構築が完了し、現在では本格的なデータ分析に向けた取り組みが進められている。例えば、マーケティング部門が販促施策を検討する際に、社内にあるさまざまなデータを紐づけて分析できるようになったことで、より多面的な思考や検討が行えるようになっているという。

株式会社トラストバンク ふるさとチョイス事業本部 事業推進室 室長の勝 伸司氏は、「マーケティング部門の責任者から『データ分析が抜群にやりやすくなった』との評価の声を頂いています。今後、社内におけるデータ活用の裾野がさらに広がっていけば、自治体や寄付者にとっても、より質の高いサービスを実現できるようになると期待しています」と話す。

ジールの手厚いサポートにより、GCPを活用した統合データ分析基盤の構築を実現したトラストバンク。
山﨑氏は、「ジールの支援により、新たなイノベーションを創出していくための礎を築くことができました。今後もトラストバンクはデータ分析環境だけでなくアプリケーション開発も含めて、あらゆる領域で新しいことにチャレンジしていきたいと考えています。当社はそうした『挑戦』が推奨される文化をもつ企業であり、もし『新しいことにチャレンジしたい』という意欲を持った方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、当社の門を叩いていただきたいと思います」と語った。

ユーザープロフィール

株式会社トラストバンク

設立

2012年4月2日

本社

〒150-6139 東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア39F WeWork内

事業内容

ふるさと納税事業、パブリテック事業、地域通貨事業、エネルギー事業など

https://www.trustbank.co.jp/

2012年4月に創業したトラストバンクは、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」の企画・運営をビジネスの主軸としながら、ICT技術を活用し、自治体業務の生産性の向上を促進する「パブリテック事業」、地域独自の地域通貨を設計可能なプラットフォームサービスを提供する「地域通貨事業」、地産地消のエネルギーを目指す「エネルギー事業」などを展開。「自立した持続可能な地域をつくる」ことを企業ビジョンに掲げ、地方が抱える課題の解決に向けた多彩な事業を推進している。

- 取材にご対応いただいた方 -

CTO ふるさとチョイス事業本部 デベロップメントデザイン 戦略ユニット 部長 山﨑 賢氏
株式会社トラストバンク
ふるさとチョイス 事業本部 事業推進室 室長 勝 伸司氏
株式会社ジール
アプライドアナリティクス&インテリジェンス ユニット ユニット長 瀧澤 祐樹
アプライドアナリティクス&インテリジェンス ユニット コンサルタント GCP SME(サブジェクトマターエキスパート) 眞城 佑友
データアナリシスプラット フォームユニット コンサルタント 藤原 正幸
データアナリシスプラット フォームユニット シニアアソシエイト 王 超楠
株式会社トラストバンク
CTO ふるさとチョイス事業本部 デベロップメントデザイン 戦略ユニット 部長 山﨑 賢氏 ふるさとチョイス 事業本部 事業推進室 室長 勝 伸司氏
株式会社ジール
アプライドアナリティクス&インテリジェンス ユニット ユニット長 瀧澤 祐樹
アプライドアナリティクス&インテリジェンス ユニット コンサルタント GCP SME(サブジェクトマターエキスパート) 眞城 佑友
データアナリシスプラット フォームユニット コンサルタント 藤原 正幸
データアナリシスプラット フォームユニット シニアアソシエイト 王 超楠

※部署名・役職名は取材当時のものとなります

製品ソリューション紹介

Google Cloud Platform

Google Cloud Platform(GCP)は、Googleが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。Googleの社内で使われているものと同じインフラ環境、およびテクノロジーをベースとして、企業のインフラ環境を構築することができます。また、Google Cloud BigQueryは、ビジネススピードや要件に応じて設計されたサーバーレスでスケーラビリティを備えたマルチクラウド データウェアハウスです。データ分析基盤として高い柔軟性を誇り、ビジネス上の意思決定を強化することが可能です。

お客様が実現したいことに寄り添ったご提案をいたします。
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