SRE・DevOps支援サービス

SRE（Site Reliability Engineering／サイト信頼性エンジニアリング）とは、Googleが提唱したシステム運用の方法論であり、ソフトウェアエンジニアリングのアプローチを運用に適用する考え方です。従来、運用業務は手作業で行われることが多く、アプリケーション開発と運用は明確に分業されてきました。しかしこの分断により、サービスのリリース頻度と信頼性のバランスが取れず、運用上の摩擦や非効率が生じていました。

SREはこの課題を解決するために生まれ、「システムの可用性・スケーラビリティ・持続性を、ソフトウェアで実現すること」を目指します。運用タスクをソフトウェアによって自動化・標準化し、大規模かつ複雑なインフラやアプリケーションを効率よく管理します。これにより、数千〜数万台のマシンを扱う大規模システムにおいても、高い信頼性を保ちつつ、継続的な改善とリリースが可能になります。

また、SREでは「信頼性と機能開発のバランス」を重視します。リリースによる利便性向上と、安定した運用の両立を目的とし、システム全体の価値を最大化することがSREチームのミッションです。

なお、SREは単なる運用の自動化手法ではなく、開発・運用の垣根を越えた、組織全体の信頼性向上に向けた文化的・戦略的な取り組みです。クラウドネイティブなアーキテクチャへの移行が進む中、SREの考え方は今後ますます重要性を増していくと考えられています。

SREとよく比較されるのがDevOps（Development and Operations）です。DevOpsは、開発（Dev）と運用（Ops）の連携を強化するための文化やプロセス、ツールの総称であり、「壁のない協業」を促進する考え方です。高速なリリースと品質の維持を両立させるために、CI/CDやインフラ自動化などが実践されます。

一方SREは、DevOpsの価値観を具体的なエンジニアリング手法として実装する実践的アプローチです。特に、サービスレベル指標（SLI/SLO）やエラーバジェットの管理など、信頼性を数値化しながら開発と運用のバランスを取るための仕組みが体系化されている点が特徴です。

要するに、DevOpsは考え方や文化、SREはその文化を実現するための手段や技術的な実践方法と言えます。両者は対立するものではなく、目的を共有したうえで補完し合う関係です。