データ統合基盤を「Microsoft Fabric」で構築しデータ活用の民主化を加速させ次なる成長を目指す
伴走パートナーに高度な知見と導入実績を持つジールを選択

第一フロンティア生命保険株式会社

お客様の要望

お客様の要望

  • 全社で活用可能なデータ統合基盤を構築し、データ活用の民主化を加速させたい

  • SaaS型データ分析基盤の導入により、IT部門の運用負荷を抑制したい

  • きめ細かなアクセス制御の実現により、データ活用の利便性を損なわずセキュリティを強化したい

矢印
ZEALにした決め手

ZEALにした決め手

  • データ統合基盤として、「Microsoft Fabric」の導入を決定。Microsoft Fabricに関して高度な知見と、国内でいち早い導入実績を有するジールを伴走パートナーに選択

  • 第一フロンティア生命にとって未知の製品であったMicrosoft Fabricの導入に向け、熱意をもって共にプロジェクトに取り組もうとした姿勢を評価

矢印
効果・実績

効果・実績

  • 様々なシステムに存在するデータを集約し、ユーザーが容易にデータにアクセスできる環境を実現

  • ExcelやAccessを用いた煩雑な集計・レポートの作成から脱却し、ユーザーが容易にデータ分析・参照を行える環境を実現

  • IT部門の基盤運用にかかる負荷が大幅に抑制され、ビジネスに寄与するデジタル化に注力可能に

  • 生成AIの活用により、将来的にはユーザー自らがさらに高度かつ容易なデータ分析を実現できる基盤を構築

背景と課題

データ活用の民主化を加速させるためデータ統合基盤の整備に踏み出す

第一生命グループにおいて、個人年金保険や終身保険の提供による「資産形成・承継」の領域に特化した会社として2007年8月に開業した第一フロンティア生命保険(以下、第一フロンティア生命)。「一生涯のパートナー“いつでもあなたに、とっておきを。”」をブランドメッセージに掲げ、創業以来、「人生100年時代」を生きる顧客に寄り添った商品・サービスを展開し続け、2025年3月末時点での保有契約件数は200万件を超える。

同社にとってデジタル技術の活用は、さらなる成長を遂げるためにも不可欠なものだった。IT統括部長を務める大多弘人氏は「2024年度からスタートした第一生命グループの新中期経営計画における、当社の事業戦略として『CXの更なる追求・お客さま本位の業務運営の高度化』が据えられています。その実現に向けて、『既存事業の深化』『新規分野の探索』の取り組みを推進しており、前者はデジタル化による利便性の向上・代理店サポートの強化、後者はデジタルによる手続きの完結・データ活用によるマーケティング高度化など、デジタル技術の活用を前提とする施策を多く含んでいます」と説明する。

第一フロンティア生命保険株式会社 IT統括部長
大多 弘人氏

第一フロンティア生命保険株式会社 IT統括部 DX推進グループ長
桂田 聖吾氏

その実現に向けた重点施策の1つとして進められているのが、データの高度活用だ。IT統括部 DX推進グループ長の桂田聖吾氏は「デジタルを活用したデータドリブンな営業活動を展開していくためには、データ活用基盤の構築が不可欠でした。そこで、基幹システムのクラウド移行が完了した翌年度の2023年度に、特定の部門向けのデータ活用基盤としてMicrosoft Azure上にデータベースを作成し、データ活用サービス『Azure Data Factory』を導入。これまでExcelなどで行われていた集計処理にかかる時間と負担を大幅に削減するなど、一定の効果を得ることができました。また、このデータ活用基盤は特定の部門向けに作成していたものでしたが、その他の多くの部門からの反響も大きく、データ活用に対する期待値の高さと、『データの民主化』を推し進める手応えを感じました。」と語る。

同社はその成果を基に、データの高度活用をさらに推し進めていくための次なるステップに踏み出す。それは社内に分散されていたデータを各部門が横断的に利用できるようにするための、データ統合基盤の構築だ。

採用のポイント

Microsoft Fabricに関する高度な知識と導入実績を持つジールをパートナーに
データ統合基盤の構築に着手

複数のソリューションを比較検討した結果、データ統合基盤のプラットフォームとして第一フロンティア生命が選択したのが、「Microsoft Fabric」である。Microsoft Fabricは高度なデータ統合能力と汎用性を備え、企業内の多種多様なデータソースを1つに統合するとともに、AIと対話型で業務を行うことも可能とするプラットフォームだ。採用の理由について桂田氏は「1つは当社の基幹システムがMicrosoft Azure上に構築されており、データ連携に際して高い親和性が期待されたことです。もう1つは、Microsoft Fabric がPaaS型ではなくSaaS型データ分析基盤として提供されているため、インフラの構築・運用にかかる負担やコストを大幅に削減できると考えたことでした」と説明する。

IT統括部 DX推進グループ アシスタントマネジャー シニアデータサイエンティストの島田晃平氏も「データ統合基盤を構築するうえで最も重視したのは、ユーザー部門が容易にデータを利活用できるような環境を実現し、データ活用の民主化を加速させていくことでした。Microsoft Fabric は基本的にローコードをベースにしているため、ITに関する高度な専門知識を有していない人でも、自身でデータ分析の仕組みを作ることが可能になると考えました。また、AIアシスタントツールの『Microsoft Copilot』も含まれており、将来的にユーザー部門が自然言語を用いてAIによるデータ分析が行えるようになることも期待しました」と語る。

そして、Microsoft Fabric を活用したデータ統合基盤のパートナーとして選ばれたのがジールだ。島田氏は「ジールを採用した決め手は、私たちにとって未知の製品だったMicrosoft Fabric に関して既に国内での導入実績と高度な知見を有していたことでした。複数のベンダーにも提案を依頼したのですが、『Microsoft Fabric のPoCがしたいのではない、Microsoft Fabric を使って本番環境を構築したい』という私たちの要望に対し、唯一応えてくれたのがジールでした」と振り返る。

第一フロンティア生命保険株式会社 IT統括部 DX推進グループ アシスタントマネジャー シニアデータサイエンティスト
島田 晃平氏

導入のプロセス

金融機関に求められる厳密なセキュリティの確保を考慮したワークスペースの設計・構築に尽力

ジールを伴走パートナーとして選択した第一フロンティア生命のデータ統合基盤構築プロジェクトは20244月からスタート。アーキテクチャの検討から設計、構築、テストを経て、2025年4月から本番運用を開始している。なお、今回、Microsoft Fabric のエクスペリエンスは、Data Factoryをはじめ、Synapse Data EngineeringSynapse DataWarehousingSynapse Data Science、そしてMicrosoft Power BIが導入されている。

プロジェクト推進・技術支援のポイント①
データ活用におけるユーザーの利便性とセキュリティ確保の両立に尽力

株式会社ジール ビジネスアナリティクスプラットフォームユニット フェロー
永田 亮磨

今回のMicrosoft Fabricを用いたデータ統合基盤の構築で最重要視されたのが、きめ細かなアクセス管理の実現である。部門ユーザーが容易にデータにアクセス、分析を行えるようにする一方、個人情報をはじめとした機微なデータの不正利用や情報漏えいを防ぐための堅牢なセキュリティが求められていたからだ。

ジールの永田亮磨は「データ活用の自由度とセキュリティ強度のバランスを考慮しながら、設計に取り組んだのが最も苦労したところです。そこで、第一フロンティア生命様と打ち合わせを重ね、ガバナンス基本設計書を一緒に作成しつつ、具体的な設計に落とし込んでいきました。その中では、各部門ユーザーがMicrosoft Fabric 上に統合されたデータを利用するにあたって、部門や用途別にワークスペースをかなり細かく区切るような設計を施しました。例えば個人情報の有無などに応じてユーザーのアクセス権を設定したのはもちろん、Microsoft Power BIユーザーはレポートを参照するだけのワークスペースを公開するなど、第一フロンティア生命様のご要望に応えられるよう尽力しました」と説明する。

このほかにも、データの不正利用の抑止策として、Microsoft Fabric 内にあるデータに対する監査ログの取得と可視化を実施。データ利用申請書とは異なるデータを取得しているユーザーを把握し、メールで通知する仕組みの実装も進めている。

プロジェクト推進・技術支援のポイント②
セキュリティ方針と照らし合わせながら、ワークスペースをメダリオン構成で構築

今回のプロジェクトでは、セキュリティの確保の方策に合わせ、利用者ごとのワークスペースの分類設計にも注力した。

ジールの今井美晴は「既存のAzure Data Factory環境では、OracleやSQL Databaseの基幹データを分析基盤に連携する処理を行っていましたが、メダリオン構成での整備が十分ではありませんでした。そこで、データ統合基盤の構築では、あらためてメダリオン構成を検討。メダリオンの概念をそのまま適用するのではなく、『第一フロンティア生命様にとって最適なデータの持ち方はどのようなものなのか』を念頭に置きつつ、データガバナンスの方針と照らし合わせながら、最終的にはMicrosoft Fabric に『Bronze』『Silver』『Gold』の3レイヤーでの整理を実施しました。」と説明する。

「また、第一フロンティア生命様の開発者様は先の連携処理データと手持ちのデータを分析対象として利用しており、この手持ちデータは各個人がそれぞれ管理を行っていました。Microsoft Fabric 導入後は共通のワークスペース上で手持ちデータの管理を行うとともに、Microsoft Fabric Lakehouse上でテーブル化することで、データの冗長化が不要になるとともに容易に分析が行えるようになっています」(今井)

株式会社ジール ビジネスアナリティクスプラットフォームユニット コンサルタント
今井 美晴

プロジェクト推進・技術支援のポイント③
データの民主化を加速させるための仕組み作りにも工夫を凝らす

株式会社ジール ビジネスアナリティクスプラットフォームユニット コンサルタント
岡崎 洋助

これまで第一フロンティア生命では、一部の部門で他社製BIツールを利用してデータ分析を行っていた。データソースは手持ちデータのほか、CSVやSQL Database、Excelのカレンダーデータなど複数のデータソースが混在し、それらの中から必要なデータを探索、抽出して分析を行っていたという。

「そうした状況に対し、Microsoft Power BIの導入後は、先に分類したワークスペースのGoldレイヤーのみを参照し、レポート化するような仕組みを構築しました。その結果、Microsoft Fabric を活用したデータ分析の利便性が高まり、ユーザーもすぐに利用してくれるようになるなど、データの民主化が加速しました」とジールの岡崎洋助は語る。

「データ活用の民主化にさらに弾みをつけるため、第一フロンティア生命様にMicrosoft Fabric に関するスキルトランスファーも実施するなどフォローにも取り組みました。そうしたスキルトランスファーを実施したことで、現在に至る最適な運用設計の実現、および操作のマニュアル化も行われるなど、様々な副次効果も生まれています」(岡崎)

導入効果と今後の展望

データ統合基盤の構築によりデータの民主化が加速
将来的な生成AIの活用にも期待

Microsoft Fabric の導入によって、様々な効果が期待されている。桂田氏は、「社内に散在していたデータが1ヶ所に統合されたことで、様々な部門のユーザーが容易にデータを活用できるようになり、手作業による集計も不要になるなど、データ活用・データ分析における生産性の大幅な向上が実現されています。また、今まではIT部門や専門知識を持っているデータサイエンティストが中心となってデータ活用・データ分析をしていましたが、これからはあらゆる部門の人がデータ活用・データ分析をする世界を目指しています」と語る。

また島田氏も、「将来的には、Microsoft Copilotの活用による生成AIを用いた戦略的な未来予測にも取り組んでいきたいと考えています。Microsoft Fabric によるデータ統合基盤との組み合わせにより、さらに多くの効果が得られると期待しています」と話す。

IT部門側における業務効率化も期待効果の1つだ。本プロジェクトを共同で進める、第一生命テクノクロス グループシステム本部 保険システムソリューション部の加藤 颯氏は「これまではユーザー部門から分析に必要なデータを求められた際には、特に定型化されたフォーマットや手順が定められていなかったため、都度、個別対応を行ってきました。今回、Microsoft Fabric によるデータ統合基盤が整備されたことを契機に、データ提供の仕組みも定型化されつつあり、IT統括部としてもよりスマートな運用が行えるようになるほか、よりビジネスに貢献するIT化に専念できるような時間も捻出できるとようになると考えています」と話す。

ジールの伴走支援のもと、Microsoft Fabric を活用したデータ統合基盤を構築した第一フロンティア生命。大多氏は、「Microsoft Fabric はまだまだ進化の途上にあり、これからも様々な利便性の高いサービスがリリースされるでしょう。そうしたサービスの進化に合わせて私たちのデータ統合基盤も継続的に改善していきたいと考えており、引き続きジール様にはその支援をお願いしたいと考えています」とジールへの要望を語った。

第一生命テクノクロス株式会社 グループシステム本部 保険システムソリューション部
加藤 颯氏

(写真右から)
第一フロンティア生命保険株式会社

IT統括部 DX推進グループ長 桂田 聖吾氏
IT統括部長 大多 弘人氏
グループシステム本部 保険システムソリューション部 加藤 颯氏
IT統括部 DX推進グループ アシスタントマネジャー シニアデータサイエンティスト 島田 晃平氏

株式会社ジール
ビジネスアナリティクスプラットフォームユニット コンサルタント 今井 美晴
コンサルティング営業2部 シニアアカウントセールス 有馬 亜季子
ビジネスアナリティクスプラットフォームユニット フェロー 永田 亮磨
ビジネスアナリティクスプラットフォームユニット コンサルタント 岡崎 洋助

※本事例内容は取材当時のものです

ユーザープロフィール

設 立

2006年12月1日

本 社

東京都港区西新橋一丁目1番1号 日比谷フォートタワー

https://www.d-frontier-life.co.jp/

第一生命グループにおいて、個人年金保険や終身保険の提供による「資産形成・承継」の領域に特化した会社として2007年8月に開業。「人生100年時代」を生きる顧客一人ひとりに寄り添い、期待に応える「とっておき」の商品・サービスを提供し続けることで、顧客とその家族の安心で豊かな生活を支え続けている。近年ではデジタル技術の活用にも注力。円滑な手続きや顧客に役立つ情報を提供するための「第一フロンティア生命マイページ」や「LINE公式アカウント」 等、デジタル技術を活用したサービスの充実にも取り組んでいる。

製品ソリューション紹介

Microsoft Fabric

●Microsoft Fabric
高度なデータ統合能力と汎用性を備えた、企業内のさまざまなデータソースを統合し、AIと対話型で業務を行うことを可能とするプラットフォーム。データの蓄積、変換、分析からアウトプットとしての資料やアプリケーションへの変換機能に優れており、誰でも・簡単にデータを扱える「シチズンデータアナリストの時代」に即したサービスを実現している。

お客様が実現したいことに寄り添ったご提案をいたします。
少しでも気になることがございましたら、まずはジールまでご相談ください

無料お役立ち資料のダウンロードはこちら

無料お役立ち資料

Webでのお問い合わせはこちら

無料相談・お問い合わせ