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ヤマハ発動機株式会社

ジールの技術支援のもと
製造部門がグローバルなデータ分析基盤
構築・運用を実現

お客様の要望

  • 市場側の販売データを起点として生産や物流の最適化を図りたい
  • 製造部門であるデマンドチェーン革新部で、データ分析基盤を構築・運用したい
  • データ分析基盤については専門ではないため構築や運用の過程で技術支援を受けたい

ZEALにした決め手

  • Microsoft Azureにおけるジールの構築実績や豊富な知見を高く評価
  • ジールが用意したシナリオをもとにハンズオンを実施、さらにヤマハ発動機のデータを使って抽出・加工を実践することでイメージしやすいスキルトランスファーを実現
  • コラボレーションツール「Microsoft Teams」を活用し、質問があればジールから操作画面を表示しながらフォローしてもらうことで疑問や不安を解消

効果・実績

  • Microsoft Azureを利用したデータ分析基盤は、世界の各拠点のシステムと連携させることで販売・物流状況の可視化を推進
  • ノンコーディングのETLツール「Microsoft Azure Data Factory」により、データ分析基盤の知識がない製造部門でもデータ分析基盤の構築・運用を実現
  • データ分析基盤は、需給調整において粒度が細かく鮮度の高い情報を取得でき、業務への意思決定の迅速化や改善活動に生かせる

背景と課題

需給調整の精度を向上させる デマンドチェーン変革の実現を目指す

1965年に創業し、普遍的な企業目的「感動創造企業」を掲げて、新たな価値を生み出すことで成長してきたヤマハ発動機。世界的バイクメーカーである同社は、二輪車の開発を起点とするパワートレイン技術、走行・航走を支える車体・艇体技術をコア・テクノロジーに、制御技術やコンポーネント技術を発展させながら、事業の多軸化とグローバル化に取り組んできた。現在、バイクはもとよりマリン製品、電動アシスト自転車、産業用ロボット、無人ヘリコプターなど、多くの製品を180の国と地域で販売しており、海外売上高比率は90%を超える。

ヤマハ発動機は、グローバルで持続的成長を目指し、需給調整の精度向上を図るうえで、消費者の需要側から見た製品や情報の流れを示すデマンドチェーンの変革に取り組んでいる。その中で浮き彫りとなった課題について、ヤマハ発動機 生産本部 生産戦略統括部 デマンドチェーン革新部 情報戦略グループ 主務 横山 研一郎氏は次のように話す。

「デマンドチェーン革新部は、市場側から取得できる販売データなどを起点にして生産や物流の最適化を図っていきます。市場側を意識せずに大量生産する手法では、消費者ニーズが多様化する中で在庫過多に陥ることもあります。また、国や地域によって売れ筋モデルも異なることから、在庫不足を招く恐れもあります。お客様が購入しようと思った時に製品をタイムリーに提供するためには、市場の状況を瞬時に察知する必要があります。顧客満足度を向上させながら、在庫量を適正に維持するには、生産計画や供給計画のレベルを向上させる必要があり、そのためには鮮度の高い情報を得ることが必要不可欠でした」(横山氏)

生産本部 生産戦略統括部 デマンドチェーン革新部
情報戦略グループ 主務
横山 研一郎氏

2016年にデマンドチェーン革新部が設立された背景には、「需給調整のレベルアップを図り、『お客様が欲しい時に、欲しい商品を購入できること』、そして『無駄な在庫の削減を実現することでキャッシュの創出を図る』という経営部門からの要請もあった。デマンドチェーンの変革を実現するためには、営業部門や製造部門、物流部門が連携し、市場動向や物流状況を確認しながら、生産計画につなげていくことが必要になる。2018年、同社は需要の変動に合わせた生産調整を実現させるため、グローバルにおけるデータ分析基盤の構築プロジェクトをスタートさせた。

採用のポイント

データ分析基盤の知識がない製造部門が構築・運用
ノンコーディングとサポート力を重視

2019年、同社はデータ分析基盤の構築プロジェクトを進めるために、1つの決断に踏み切った。ヤマハ発動機 生産本部 生産戦略統括部 デマンドチェーン革新部 情報戦略グループ 主事 山本 剛氏は次のように話す。

「デマンドチェーンの変革のベースとなるデータ分析基盤をスピード重視で導入したい。また将来的な追加開発のことも鑑み、保守運用も自分たちで行いたいという思いがあり、IT部門と相談しながらも自部門主体で構築・運用を行うことにしました。営業・製造・物流の各部門のメンバーからなる部門において、サーバに触ったこともないメンバーでデータべースの構築・運用を実現していくため、クラウドを軸に検討することになりました。コストの抑制、短期間での構築、世界各国の拠点が持つデータをクラウドに吸い上げることができる仕組みとして『Microsoft Azure』を選定しました」(山本氏)

その理由について山本氏は、「クラウドやサーバなどが専門ではないメンバーが、世界中の拠点から販売や在庫のデータを抽出・加工し、経営や業務に活用できるデータ分析基盤を本当に構築できるのか心配でした。私たちの不安を解消する道筋を描いてくれるかどうかが、重要なポイントになりました」と話す。

Microsoft Azureのワークショップは、製造部門の私たちにもわかりやすかったと山本氏は話す。その決め手について山本氏はこう説明する。「ノンコーディングでETL(Extract Transform Load:抽出、変換・加工、格納)プロセスを構築できる「Azure Data Factory(以下、Data Factory)」なら、データ分析基盤の知識がなくても、私たちだけで構築・運用が可能になります。また構築パートナーには、当社の質問にも丁寧な回答や対応などから、ジールのサポート力も期待できそうな印象を持ちました。さらに、すでに導入していたBIツール『Microsoft Power BI』との親和性もポイントとなりました」

生産本部 生産戦略統括部 デマンドチェーン革新部
情報戦略グループ 主事
山本 剛氏

導入のプロセス

Microsoft Teamsを使って
質問にも迅速かつ具体的にフィードバック

2019年6月、同社はデータ分析基盤の構築に、ジールを構築パートナーとするMicrosoft Azureを選択した。基盤構築を担うジールは、2019年7月から1カ月かけて同社の要望に最適化された構成にするべく、丁寧にヒヤリングを実施し、わずか3週間で設定を完了した。

Microsoft Azureを利用したデータ分析基盤は、世界各拠点のシステムのデータを、ストレージ間でファイルのコピーが容易に行えるライブラリ「AzCopy」を使って、Microsoft Azureストレージサービスにデータアップロードを行った。データをData Factoryで抽出、変換・加工、格納し、SQLデータベースにつなげていく。さらにSQLデータベースにPower BIを接続し、データを分析する。Data Factoryを中核にノンコーディングで、人が介在しない自動化された分析基盤を実現している点が大きな特徴だ。

今回の構築でポイントとなったのは、「データ分析基盤の知識がない製造部門の方がデータベースを構築し運用するために、どのようにスキルトランスファーを行っていくのがベストなのかを念頭に置きました」とジール ビジネスアナリティクスプラットフォームユニット チーフスペシャリスト 永田 亮磨は話す。「2019年8月にデータの流れや結合、加工方法など、当社で用意したベースとなるシナリオのもとでハンズオンを実施しました」と永田は続ける。そして9月には、ジールからデマンドチェーン革新部に対しData Factoryの使い方を中心としたスキルトランスファーを行った。

ビジネスアナリティクスプラットフォームユニット
チーフスペシャリスト
永田 亮磨

ジールが用意したシナリオで、実際にヤマハ発動機のデータを使いながら説明
「世界各国の拠点から取得するデータの単位や範囲は決めてあり、それらをデータべースに反映するイメージはできていたのですが、その方法を習得できていませんでした。ハンズオンにおいて、ジールには実際に当社のデータを使って抽出し、加工していく工程を具体的に説明していただき、当社がやるべきことが明確になりました。おかげで、約1カ月半で私自身がMicrosoft Azure上にデータベースを構築できました」(山本氏)

Microsoft Teamsを活用し、質問に対して実際の操作画面を見せながら回答
「その都度、コラボレーションツールMicrosoft Teamsを使ってジールに質問すると、すぐに回答が返ってきて、作業を止めることなく進めることができ非常に助かりました。回答も文章だけでなく、実際にジールが操作を行った画面を表示し、解決方法を具体的で視覚的にフィードバックしていただきました。ジールの技術支援による『こうやればできる』という小さな成果の積み重ねにより、私でもうまく構築できました」と山本氏は話す。同社では、ジールからスキルトランスファーを受けた際の資料と、質疑応答のメモをまとめており、今後は山本氏が社内にスキルトランスファーを行っていく予定だ。

ネットワークのトラブルにも、豊富な実績・経験から打開策を提案し解決に導く
今回、構築する中でも大きな山場があったという。「社内ネットワークからAzure上のSQLデータベースにアクセスできない状態が発生しました。Power BI側からSQLデータベースに接続することで問題を解決できるというジールの提案により、難関を乗り切ることができました」と山本氏は振り返る。

導入効果と展望

トライアルに確かな手応え
グローバルに展開へ

ヤマハ発動機の成長戦略を支えるMicrosoft Azureによるデータ分析基盤は、2019年12月よりトライアルを開始。「今後データ分析基盤の活用によってデマンドチェーン変革が大きく前進すると期待しています。これまで販売や在庫など現地の情報は、人手を介して入手していました。またデータ集計などにExcelを使用しており、属人化やミスの可能性もあります。しかし、データ分析基盤を導入し自動化を図ることで、市場から上がってくる情報のスピードは飛躍的に向上できたことに加えて、工数の削減や、情報の精度を高めることができます」(横山氏)

市場の状況の可視化の観点では、情報活用のスピードと質が大きく変わると横山氏は指摘する。「これまで各部門が知りたい海外拠点の情報は、海外拠点の駐在員に依頼して情報提供を受けていました。これからは必要な時にPower BIからデータをダウンロードして、担当者の知りたいメッシュで鮮度の高い情報を活用することで、意思決定の迅速化や改善活動につなげていくことができます」(横山氏)

今後、同社ではグローバルにデータ分析基盤を展開していく予定だ。「クラウドサービスを利用しているため、サーバやストレージなどを調達・運用する必要もないことから展開も容易です。また需要予測の取り組みも進めていきます。将来的には、データ分析基盤からグローバルPSI(Production Sales Inventory:生産・販売・在庫)システムに情報を入力することで需給調整の対応をより柔軟でスピーディに進めていきます」(横山氏)

イノベーションへの情熱を胸に、お客様の期待を超える感動の創造に挑戦を続けるヤマハ発動機。グローバル企業として活躍する同社のさらなる発展を、Microsoft Azureによるデータ分析基盤とジールの支援によって支えていく。

製品ソリューション紹介

Azure Data Factory/Power BI

Azure のクラウド ETLサービスであるAzure Data Factory は、スケールアウト サーバレス データ統合およびデータ変換を実現。直感的な作成が可能なコード不要の UI を備えており、利用者はコーディングを必要とせず、データの格納、移動、準備、変換、処理を数回のクリックで行うことが可能です。Power BIは、情報システム部門に依頼することなく、業務部門が主体になってデータ分析を実行可能にするセルフサービスBIです。データがわかりやすく視覚化され、今まで気づかなかった経営やサービスの課題を素早く発見できます。

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