大成建設株式会社 社長室 情報企画部 デジタル推進室 次長
林 秀明氏
1873 年に創業した大成建設は、土木・建築をビジネスの中核としながら、環境、エンジニアリング、都市開発、不動産など、幅広い分野に事業領域を拡大し続けている。同社が業界再編や様々な外部環境の変化に対応するために策定した中長期的ビジョンが「TAISEI VISION 2030」だ。その実現に向け2021~23年を対象期間とする「中期経営計画」では、IX(インダストリアルトランスフォーメーション)、SX(サステナビリティトランスフォーメーション) 、DX(デジタルトランスフォーメーション)の3つのXを柱に据え、変革に取り組んでいる。
大成建設のDX推進に向けた取り組みの1つが、「Taisei-DaaS(Taisei-Data as a Service)」と名付けられた統合データプラットフォームの構築だ。大成建設 社長室 情報企画部 デジタル推進室 次長の林 秀明氏はTaisei-DaaS構築の背景について、「これまでは個別最適化により各部門の業務システムが構築されていたため、システム間のデータ連携が困難となっていました」と振り返る。
「サイロ化されていたデータをTaisei-DaaSに集約。企画・提案から設計、施工、リニューアルという“建設ライフサイクル”の各工程で発生するデータをシームレスに連携し、データ利用者自身が社内データを検索・取得できる環境の実現を目指しました」(林氏)