2023年1月18日(水)、株式会社ジール(以下、ジール社)主催、ThoughtSpot合同会社
(以下、ThoughtSpot社)ならびにウイングアーク1st株式会社(以下、ウイングアーク社)
共催にて「世界最先端セルフサービスBIを活かすのは、あの国産分析用データベースと
BIダッシュボードだった!~ThoughtSpotとDr.SumとMotionBoard、
この奇跡の邂逅がもたらすものとは?~」セミナーを開催しました。
セミナーでは、最先端BIツールの「ThoughtSpot(ThoughtSpot社)」と分析用高速
データベースとして実績のある「Dr.Sum(ウイングアーク社)」、そして豊かな表現力で
定評のあるBIツール「MotionBoard(ウイングアーク社)」の3つの製品による
かつてないデータ活用効果をご紹介しました。
本記事では、セミナーでご好評をいただいたThoughtSpot社日本カントリーマネージャー
有延 敬三氏、ウイングアーク社執行役Data Empowerment事業部長 大澤 重雄氏、
ジール社取締役 中村 国宏によるパネルディスカッションの模様をレポートします。
※本記事は、ウイングアーク社「データのじかん」でも掲載しております。
――パネラー紹介――
ThoughtSpot合同会社 日本カントリーマネージャー 有延 敬三氏
![](https://www.zdh.co.jp/wp-content/uploads/2023/08/1692941859-2.jpg)
ThoughtSpot合同会社 日本カントリーマネージャー 有延 敬三氏
ウイングアーク1st株式会社 執行役員 Data Empowerment事業部長 大澤 重雄氏
![](https://www.zdh.co.jp/wp-content/uploads/2023/02/1700814421.png)
ウイングアーク1st株式会社 執行役員 Data Empowerment事業部長 大澤 重雄氏
株式会社ジール 取締役 中村 国宏
![](https://www.zdh.co.jp/wp-content/uploads/2023/08/1692941859-1.jpg)
株式会社ジール 取締役 中村 国宏
――ファシリテーター紹介――
株式会社ジール ビジネスディベロップメント部コンサルタント 栗原 和音
![](https://www.zdh.co.jp/wp-content/uploads/2023/08/1692941859.jpg)
株式会社ジール ビジネスディベロップメント部コンサルタント
Voicy「わおんDX」チャンネルパーソナリティわおん
栗原 和音
セミナー企画の背景
BIの潮流がエンタープライズBIからセルフサービスBIへと移りゆくと共にBI導入の敷居も
下がり、多くの企業様で何らかのBIを導入されている昨今ですが、一方で思ったような
効果が得られず、以下のような課題をお聞きしています。
① だれもが利活用できるセルフサービスBIを導入したのに、
結局一部の人しか使いこなせない
② 以前のエンタープライズBIにはあった機能がセルフサービスBIでは不足していて、
以前できていたことができなくなった
③ BIツールで分析しようとしても、肝心の分析するためのデータが十分でない、
またはデータはあるけれども分析用に使いやすい形にできていない
ThoughtSpot社とウイングアーク社の協業背景を紐解く形で、
これらの課題解決へ向けたヒントをご紹介できればと、本セミナーを企画しました
自己紹介
栗原 和音(以下、栗原):本日ファシリテーターを務めます、ジール社の栗原です。
はじめにパネラーの皆様の自己紹介をお願いします。
有延 敬三氏(以下、有延):ThoughtSpot社のカントリーマネージャーを務めています。
エンジニアとしてキャリアをスタートしましたが、向いてないと自覚し(笑)営業に
鞍替えをしました。その後、外資系IT企業のカントリーマネージャーを複数社経験しました。
データベースやデータのハンドリングまわりが長く、得意領域になります。
趣味はゴルフや体を動かすこと全般で、いつも体を動かしています。
またベンチャー企業などスタートアップ企業に対しての支援も好んで行っています。
また、最近はYou Tube全般にはまっています。
ThoughtSpotは検索とAIを活用した新しいBIの分析ツールになります。お客様は大企業を
中心に、製造、小売、金融など様々な業種でご利用いただいています。「データに基づく
ファクトドリブンな世界を創る」というミッションのもと事業を推進しています。
ThoughtSpotをご利用いただいている日本企業様を2社ご紹介します。1社目は
京セラ株式会社様で、全社員25,000人に対しセルフスサービスBIとしてThoughtSpotによる
分析環境をご提供しています。携わる職種によって見たいデータは違うはずですが、
IT部門が25,000人分の多種多様なレポートを作るのは非常に大変な作業です。
セルフスサービスBIとしてのThoughtSpotは、実務に活かせるツールである点が
大きなポイントになっています。2社目はTangerine株式会社様です。
Tangerine様はStore360というソリューションをアパレルなどの小売企業に提供していますが、
Store360のセルフサービスBIとしてThoughtSpotを埋め込んで提供しています。
大澤 重雄氏(以下、大澤):ウイングアーク社でData Empowerment事業部を担当し、
主にDr.Sum、MotionBoardといった自社製品を中心にデータ活用のためのソリューションや
サービス、データ活用環境などを提供しています。
また、「ユーザー様の価値向上」をミッションに掲げており、
事業責任者としてプロダクトの開発・企画などすべてに携わっています。
趣味は有延さんと同じゴルフですが、有延さんは体を動かしながら健康でいるという
タイプかなと思いましたが、私はなるべく努力をせずに健康でいることを趣味としていて、
ヤクルト1000を好んで飲んでいます。私の個人的な感想ですと睡眠の質が改善され、
少し目覚めが良くなったかなと思っています。本日は、ThoughtSpot社とウイングアーク社の
アライアンスの背景を含めて裏側も可能な限りお話しできればと思っています。
中村 国宏(以下、中村):有延さんと大澤さんと同じくゴルフが趣味です。
また、お酒が大好きで、体を動かすことも大好きです。
ジール社は約30年にわたりBIやデータ分析に関わる事業を推進しており、
現在はAI、BI、DWHのソフトウェアのライセンス販売、SI、DX人材育成サービス、
アウトソーシングなどの事業を展開してます。
栗原:パネラーの皆様の共通点が趣味のゴルフということがわかったところで、
早速ディスカッションを進めていきたいと思います。
長年BIに取り組んできたSIerの立場のジール社の中村さんに質問ですが、
現在多くのBIツールがありますが、お客様はBIをどのようにお考えでしょうか?
中村:まずBIの歴史を紐解く必要があるかと思います。先ほどジール社は約30年にわたり
BI事業を推進してきたとお伝えしましたが、実は30年前にBIはありませんでした。
1989年にガートナーが非専門家でもデータ分析が行えるツールをBIと定義した後に、
BIというものがDWHと共に流行し始めました。第一世代はWindows 95が発売された
1990年代から2000年代ですが、当時BIツールは高価でしたので一部の部門だけで
使われていました。
第二世代は2010年から2020年頃で、BIツールが安価になりセルフ BIという概念が
誕生しました。第三世代は2020年以降の現在で、
ThoughtSpotのように驚くようなBIツールが現れています。
SIerとしてお客様と接する中でお聞きすることは、DXの潮流もあり、
全社員がデータドリブン人材になることを求められているということです。
お客様からはBIツールのレコメンデーションを求められますが、
対象のデータや分析したい結果・内容により最適なツールが異なりますので、
各部門に即したBIツールの選択・導入が必要になると考えています。
料理に例えますと、第一世代、第二世代は単品メニューを作ればよかったので
1つの包丁で足りていたのですが、全社員・何万人という単位になると
フルコースメニューになり、同時にBIツールも料理の包丁と同様に、メニューに応じた
適切なBIを用意しなければなりません。
栗原:BIツールを提供されているThoughtSpot社と
ウイングアーク社の今回のアライアンスについての期待をお聞かせください。
中村:第三世代の先端を走っているThoughtSpot社と第二世代と第三世代を駆け抜けている
ウイングアーク社の協業ということで、非常に驚きました。同時に新しいものが
生まれるのではないかと期待が膨らみました。先ほどお話しさせていただいたような
全社横断的なBIの利用において、このアライアンスは非常に有効だと思います。
多くのお客様において部門ごとのBI導入や利用が増えてきているとは言え、IT部門に許可なく
部門で導入した場合などはIT 部門の負荷が非常に高くなり、面倒がみきれないと
お聞きすることもあります。ThoughtSpot社とウイングアーク社の協業によって、
例えば、IT 部門の負荷をかけずにノーコードで使えるDr.Sumと
ThoughtSpotの最新機能のコンビネーションは最強だと思っています。
栗原:どちらかを選ぶのではなく、組み合わせて使うのもおすすめということですね。
続いてはメーカーの立場からのお話を伺いたいと思います。
ThoughtSpot社とウイングアーク社の協業は私自身も驚いたのですが、
外資の大手BIベンダーと日本のBIベンダーの協業はいまだかつてなかったと思います。
今回の協業の経緯や背景、そして話せる範囲で裏話をお聞かせください。
有延:まずお伝えしたいのは、ThoughtSpotの生い立ちはもともと検索とAIで
BIではないということです。ThoughtSpotの立ち上げの頃にはすでにMicrosoft Power BI、
Tableau、Qlik、MotionBoardなども登場していたと思います。さまざまなBIツールを
ベンチマークし、それらと重ならない機能を持つソリューションを検討し誕生したのが
ThoughtSpotです。グラフで分析ができるなどBIツールと同じように見えるのですが、
誕生時のアプローチが全く違います。そういう意味で使い勝手も違います。
また、ThoughtSpot社は、以前はデータベースも提供していましたが数年前にやめ、
市場に多数存在するDWHと連携するという方針に転換しソリューションを提供しています。
DWHと連携したソリューション提供を考えていくと、日本国内のDWH市場は圧倒的に
ウイングアーク社なのです。オンプレミスの利用がほとんどですが、他社と数十倍の開きが
あるかと思います。DWHという言葉が広がる前に、ウイングアーク社は分析に特化した
データベースのDr.Sumという素晴らしい商品を開発・提供していました。日本国内で
9000サイトと聞いており、非常に多くのお客様がご利用中です。
このポテンシャルに期待をしたというのが今回の協業の1つ目の理由です。
BIツールは適材適所です。ThoughtSpotはMotionBoardのような表現力を未だ持ちあわせて
いないかも知れませんが、一方で、IT部門に頼らずにデータを検索して表示し自分たちで
レポートを作っていくセルフサービスBIという領域で長けています。ThoughtSpot導入企業の
90%は何らかの既存のBIとThoughtSpotを使い分けています。
つまり、共存できるということが協業の2つ目の理由になります。
栗原:どちらも同じようにデータを可視化するツールに見えますが、MotionBoardとThoughtSpotの違いは何かという議論、そしてすみ分けが社内でなされていたのですね。
有延:ThoughtSpot社とウイングアーク社の協業については、実は社内からも驚きの声が
あがり、日本人スタッフ含め一様に「製品同士がぶつかるのではないか」という意見でした。
しかし相互のユーザーの立場として考え、どこに何を使うかを詳しく検証していくと
共存できることがわかりました。大きな製品カテゴリで考えるとぶつかりそうですが、それは
例えばバスケットボールとバレーボールは同じ球技というようなもので、全く違うのですね。
栗原:大澤さん、今の有延さんのお話についてご感想いかがでしょうか?
大澤:ガートナー マジック・クアドラントに何度もリーダーの位置付けとなっている
トップランナーのThoughtSpot社との協業はテンションが上がりました(笑)有延さんからも
お話のあった通りですが、ThoughtSpotを最初に見た時にウイングアーク社製品との違いを
明確に理解しました。正しいデータがないとThoughtSpotは活きない製品でDr.Sumが明確に
フィットする、まさに有延さんがおっしゃる通りだと思いました。
MotionBoardとDr.Sum Datalizerの競合については、お客様を主語に考えた場合、データを
活用しなければならない業務が多岐にわたっているので、その上で協業ができればと
思っていました。ですが、そう思っていても、グローバルな外資系企業ですと難しい面もあり、
今回協業のご縁をいただいてここまでこられたのは感謝しかありません。
BIツールはかなり棲み分けが出来ていると思います。1社1製品に絞る企業様も非常に多いのですが、本当にそれが正しいか?と言うのは、私自身が思っているところです。
協業のオファーについてはこれが起点というものはなく、
以前よりウイングアーク社からは連携の相談をしていたように思います。
有延:ウイングアーク社との関係を正直にお伝えしますと、何かの席でウイングアーク社の
メンバーからThoughtSpot社と協業できるのではないかという話がありました。
その際、私は「それはない」と答えました。しかし、その帰りに改めて考え直したところ
「あり」だと確信しました。
後日、大澤さんに相談をしたところ最初は「う~ん」との反応でしたが、
機能などをご覧いただくとすみ分けができるという話になりました。
関わるメンバーにも時間をかけて説明し、ThoughtSpot社のグローバルのメンバー、
ウイングアーク社のメンバーもお互いに腹落ちし話が進んでいきました。
大澤:主語がお客様という点がポイントだったと思います。製品という切り口では
近しい領域ということは間違いないのでベンダーを主語に考えればNoだと思いますが、
「お客様がこんな風に使っています」となると、確かにその業務があると私も思います。
一方中村さんが冒頭に話された通り、グローバルで見ると日本は特殊だと思います。
その特殊な環境を実現できるのは実はウイングアーク社しかいないと思いましたし、
また、「有延さん、この辺の機能は強化されないですよね?」と聞いた時
「ないない」という話から、それを確信しました。
栗原:ThoughtSpot社とウイングアーク社のトップ層で深く話をされたということですが、
メーカーのお2人のお話から、ジール社中村さんはどんな感想をお持ちですか?
中村:有延さんに質問があります。私もアメリカに本社がある外資系企業に在籍していたことがありましたが、日本マーケットでのアライアンスは絶対に許されませんでした。
今回はどのようにアメリカ本社を納得させたのでしょうか。
有延:当初は、アメリカのシリコンバレー本社のメンバーは
誰も耳を傾けてくれませんでした。ウイングアーク社の「ウ」の字も知らないのですから、
そこから説明をしなければならずかなり努力をしました。ウイングアーク社には
ThoughtSpot社のグローバルのヘッドクオーターへ説明に来ていただきました。
これにより、ウイングアーク社はデータベースおよびBIの領域やマーケット関し
大変深い知見をお持ちだという理解がアメリカ本社の中でも深まりました。
私からの説明だけではなく、ウイングアーク社のメンバーにアメリカ本社まで
ご来社いただき、アメリカ本社のメンバーに直接会っていただく努力が陰にありました。
栗原:パネルディスカッションの終了まであと5分となりましたが、
最後に皆さまへご質問です。安価で高性能なクラウド型のDWHが多数存在しますが、
このすみ分けについてもご意見をお聞かせください。
中村:中立的な立場でお答えしますと、お客様の課題という点では、
IT 部門以外にもDX部門が立ち上がり始めていますが、圧倒的に人材不足です。
また、これまでのお話にありましたが、誰もがデータ分析・活用ができるようBIユーザーを
増やしてく必要がありますが、そうするとBIのためのデータベースを増設する必要もあります。
Dr.Sumの特徴は、ユーザー部門がノーコードで開発できるため、
IT 部門の負荷が減る点だと思っています。
また、ThoughtSpotはお客様の課題に対してクラウド型DWHと一線を画した
サービスのご提供、もしくはそういったお悩みをお持ちのお客様にしっかりはまるものだと
思っています。データを貯めるとなると、リレーショナルデータベース、いわゆるRDBを
選択されるお客様も多いかと思いますが、ある程度の深い知識や技術が必要になります。
Dr.Sumの特徴としてはそのような深い技術やスキルが必ずしも必要ではなく、
高速な分析のための環境構築ができます。
大澤:単にデータを貯めておくだけであれば安価なクラウド型DWHはいくつかあると
思っています。一方で、クラウド型DWHの中には、最初は安価ですが、従量課金により
請求額に驚くようなケースが結構あるというのはThoughtSpot社からも聞いていました。
その点Dr.Sumは、冒頭に有延さんがご紹介された京セラ様の例ですと25,000ユーザーでも
コストが一気に上がらないライセンス体系になっています。
その辺の対応ができている点をご説明すると、改めてウイングアーク社は日本市場に強いというのをご認識いただけたようで、ウイングアーク社にと
ってもモチベーションや自信につながりました。
有延:やはりウイングアーク社は日本の会社なのですよね。外資系企業のご経歴がある
中村さんもご経験されたと思いますが、外資系企業は買収やトップの入れ替えがあると
企業の方針が変わり金額の課金体系が変わることがあります。企業として重要なデータを預ける
データベースですから、その企業の体制が頻繁に変わる場合などは経営者も含めて
不安を感じてしまうこともあると思います。
一方、日本企業であるウイングアーク社はそういった心配がなく、お客様にとっては
安心感があると思います。それゆえにウイングアーク社のソリューションは、
日本国内で圧倒的なシェアをお持ちなのだと思います。
栗原:パネルディスカッションのお時間があっという間に終わりに近づいてきました。
今回のパネルディスカッションの内容をまとめると次の2点になるように思います。
1点目は、単一の製品で全てのデータ分析を行うのではなく、
様々な製品を組み合わせる新しい選択肢があるということ。
2点目は、BIツールも重要ですが、
そのためのデータを貯めるデータベースも重要ということ、ではないでしょうか。
それでは、最後にパネルディスカッションをご視聴の方へメッセージをお願いします。
有延:PoCなどトライアルの機会をいただきThoughtSpotを経験していただければと思います。
大澤:1社でも多くの企業様とビジネスをご一緒させていただきたいと思っています。
栗原:本日はパネラーの皆様、貴重なお話をありがとうございました。
パネルディスカッションの後には、ジールによるThoughtSpot / MotionBoardの両製品を
Dr.Sumに繋げてのデモンストレーションをご覧いただき、3つの製品を組み合わせた
業務イメージをご参加の皆様へご確認いただきました。ジールではこれからBIツールを
検討したい、もっとBIツールを活用したい皆様へ、お客様のデータ活用にぴったりなBI製品を
お客様の立場で選定するサービス「Z-BISS」をご提供しています!
※Z-BISS 参考サイト:https://bi-online.jp/reports/20201113
参考サイト
※株式会社ジール: https://www.zdh.co.jp/
※ウイングアーク1st株式会社:https://www.wingarc.com/
※ウイングアーク1st株式会:データのじかん ~約75万人に読まれるデータ・DXに特化した
WEBマガジン~ https://data.wingarc.com/
※ThoughtSpot合同会社:https://www.thoughtspot.com/jp