クラウドDWH「Snowflake」の導入に向けてジール支援のもとPoCを実施
グローバルでのデータ活用を支える 共通基盤DWHを構築しデータドリブン経営の実現へ

AGC株式会社

お客様の要望

  • データ活用の拡大に合わせた柔軟性の高いグローバル共通基盤DWH(データウェアハウス)を構築したい

  • 「すべてのシステムは受益者が金額を負担すべき」という考え方のもとで、利用部門に対する課金を意識したDWHの利用状況を可視化したい

  • グローバル共通基盤DWHによって、データサイエンスの知見を身につけた従業員が、データ活用を業務に生かすことで、競争力強化とともにデータドリブン経営を推進させたい

ZEALにした決め手

  • Snowflakeに関するジールの豊富な知見によって、想定した検証項目を評価する環境が整い、短期間で効率的にPoCを実施することができた

  • PoCが効率的に進むように、ジールが質問や不明点についてSnowflake社と綿密に連携し情報を入手してくれるなど、スピーディで一歩先をいくサポートをしてくれた

  • PoCにおける各種設定に関して、ジールから丁寧な指導を受けるとともに、今後の操作にも役立つ手順書を提供してもらった

効果・実績の内容

  • クラウド環境を最大限に生かし、コンピュートとストレージを分離した独自アーキテクチャにより、必要な時に必要なだけ利用できるグローバル共通基盤を構築できることを確認できた

  • ユーザーが使用したコンピュートとストレージのみ支払対象とする従量課金制をとることで、全体コスト最適化の見通しができた

  • グローバル標準のDWHにより、日本や欧州の情報システム部で統合的な管理・運用を実現できる見通しが立った

背景と課題

競争力の強化に向けてDXを加速
グローバル共通基盤DWHの構築が重要なテーマに

AGC株式会社 情報システム部 グローバルIT戦略室 標準ERPグループ マネージャー
田中 丈二氏

独自の素材・ソリューションで、世界中の人々の暮らしを支えるAGC。ガラス、化学品、ディスプレイ、セラミックスといったコア事業と、モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスの3つの戦略事業の両輪による「両利きの経営」で躍進を続ける。中期経営計画「AGC plus-2023」において、「両利きの経営の追求」とともに主力戦略に掲げたのが、「DXの加速による競争力の強化」だ。部門ごとの取り組みの深化や複合化とともに、DXによるAGCグループのビジネスモデルの変革に取り組み、競争優位性を築き、お客様と社会に新たな付加価値を提供する。

DXを加速させるためには、データ活用の拡大が重要なポイントとなる。AGCは、2025年までにデータサイエンスの一般教養を身に着けた人材5,000名、上級人材100名を育成する目標を掲げている。こうした取り組みのもと、AGCではデータ活用を支える全社の共通基盤の整備にも力を注いでいる。従来のデータ活用における課題について、AGC 情報システム部 グローバルIT戦略室 標準ERPグループ マネージャー 田中 丈二氏は次のように話す。

「多彩な事業を持つ当社では、仕入先、得意先、商流、物流などが事業ごとに異なっております。それらの事業を支えるシステム(ERP)はこれまで個別に構築してきましたし、またそのデータを対象とするBIシステムも同様でした。ERPの構築については弊社では近年「標準ERP」という考えに転換し、グローバルでの共通化の検討を進めています。付属するBIシステムについても同じ発想を採り、グローバル規模で、ERPデータを活用するためのDWHが必要という状況にいます。個別用途の小さな器ではなく、さまざまな用途に対応できる大きな器としてグローバル共通基盤DWHが求められました」

採用のポイント

クラウド環境を生かし柔軟な拡張性を実現
従量課金制により利用部門の不公平感を払拭

DWHの選定において、AGCが重視したのはグローバル標準だ。AGCは戦後いち早く海外へ進出し、現在はアジア、北米、欧州を中心に30の国と地域に拠点を展開。また、生産から販売まで、すべての工程でグローバル一体経営の強化を図っており、情報システム部も、人材交流のみならずグローバルでプロジェクトを遂行する取り組みが行われている。「今回、グローバル標準のERP導入も日本だけでなく、欧州の情報システム部のメンバーが企画段階から参画しています。DWHについて、欧州が先行導入していたのが、クラウドDWHSnowflake』でした。欧州ではすでに導入効果が出ており、『DWHといえばSnowflake、柔軟性を考慮すると他の選択肢はない』と欧州の担当は話しています」(田中氏)

AGC 情報システム部 グローバルIT戦略室 標準ERPグループ ネオ ウェイハン氏は、Snowflakeの評価ポイントについてこう語る。「AGCグループで導入するERPがSaaSベースであるため、同様にSaaSベースのDWHであるSnowflakeは、構築・運用管理の容易さ、使いやすさなどで大きなメリットがあります。また、Snowflakeはコンピュート(計算処理)とストレージ(記憶装置)が分離された独自アーキテクチャにより、従来DWHが抱えていた拡張性の課題を解決しています。必要な時に必要なだけ、クラウドのリソースを利用できます。リソースが不要になれば返却することでコストの最適化も図れます。さらに、多数の同時実行処理でパフォーマンスが低下しないという点も強みです」

ユーザ部門にDWHサービスを提供する際の課金体系に対しても、これまでは課題があったと田中氏は話す。「従来は、ユーザ数に応じて課金をしていました。利用者からすると、利用頻度が低いのに一定の利用料を支払っていたり、逆にユーザ数に応じて支払えば使いたい放題だったり、『すべてのシステムは受益者が金額を負担するべき』という考え方からすると、不公平感が拭えませんでした。使用したコンピュートとストレージのみが支払い対象となる、従量課金制のSnowflakeなら、請求における明確な根拠の提示により不公平感を払拭することができます」

グローバル標準のDWHを導入することで、グローバルでデータ活用基盤の統合管理を実現できる。「グローバルでのガバナンス強化とともに、時差を活用した24時間運用管理も可能となり、情報システム部の働き方改革にもつながると考えています」(田中氏)

AGC株式会社 情報システム部 グローバルIT戦略室 標準ERPグループ
ネオ ウェイハン氏

PoCの概要

ジールのSnowflakeに関する豊富な知見のもと効率的にPoCを実施し3つのポイントを確認

2020年6月から2カ月間、AGCはSnowflakeのPoC(概念実証)を実施した。技術支援を受けるパートナーには、AGCの既存パートナーである株式会社BeeXからの紹介により、DWHやBIに精通しSnowflakeとパートナーシップを結ぶジールを選んだ。PoCは、「セキュリティ・ガバナンス」「権限管理」「課金を意識したユーザの使用状況の可視化」の3つに分けて行われた。

1.セキュリティ・ガバナンス
Azure AD(Active Directory)連携、IPアドレス権限、通信経路暗号化、シングルサインオン(SSO)、プライベートリンク接続など

2.権限管理
役職や部門などによりユーザに割り当てるユーザ・ロール権限設定と運用管理、権限に紐づくデータのマスキングなど

3.課金を意識したユーザの使用状況の可視化
コンピュート、ストレージ、データ通信など利用量の可視化、利用部門単位での請求(請求の自動化、アラート、申請・請求プロセスなど)

ジールが有するSnowflakeに関する豊富な知見によって、3つの検証カテゴリについて効率的で納得がいくまで確認できたと、ネオ ウェイハン氏は振り返る。

プロジェクト推進・技術支援のポイント①
評価検証で生じた質問に対し必要な回答を迅速に提供

株式会社ジール ビジネスディベロップメント部 上席チーフスペシャリスト
四釜 浩明

評価検証を行うPoCには効率が求められる。「当初、Snowflakeの知識不足だった当社からの質問を、技術的課題に翻訳し、Snowflakeから必要な回答をすぐに引き出してくれました。ジールとSnowflake日本法人の連携も心強く、スムーズにPoCを進めることができました」(田中氏)

ジールの 四釜 浩明は、「AGC様のご質問やお問い合わせに対し、当社の検証環境で事前に確認しました」と話し、こう続ける。

「附帯する課題も含め、不明点についてSnowflakeの技術サポートに連絡しました。速やかに情報を得て、再度当社で確認し迅速にAGC様に回答するように心がけました。PoCが停滞することなく効率的に進むように、スピーディかつ一歩先をいくサポートを念頭に置きました」(ジール四釜)

プロジェクト推進・技術支援のポイント②
今後の操作にも役立つPoC向けの手順書を提供

「Snowflakeはメールアドレスから数分で検証環境を構築できるため、PoCを実施しやすい」と話す田中氏。PoCは、機能検証とともに基本操作を学ぶ場ともなる。 「PoCのプロセスで、権限や環境など各種設定に関してジールから丁寧な指導を受けるとともに、今後の操作でも役立つドキュメントを提供してもらいました」(田中氏)

ジールの 亀井 美佳は、「SnowflakeのマニュアルベースでPoCを行うと、つまずくポイントが出てきます。当社で事前に調べてSnowflakeに問い合わせをするとともに、AGC様のPoC向けに手順書を作成し、AGC様と共有しながらPoCを進めました」と話す。

株式会社ジール ビジネスディベロップメント部 マネージャー
亀井 美佳

プロジェクト推進・技術支援のポイント③
ジールのアドバイスで課題解決に向けた手段を見出す

PoCでは機能の確認に加え、課題に気づくことも重要だ。「SnowflakeとBIツールとの連携面で課題が生じたのですが、ジールのアドバイスで活用手段を見出すことができました」(ネオ ウェイハン氏)

ジールの亀井は、「PoCは、何をどこまでできるかだけではなく、何ができないのかについても評価する場です。BIツールの接続についても制約がわかった段階で、他の方法を検討するフェーズに移ります。今回のPoCでは、要件を満たすための代替策もご提示しながらご支援するよう心がけました」と話す。

AGCの「Snowflake」PoCイメージ

今後の展開

検証環境を構築し実データを使ってテストを実施
全社共通基盤DWHでグローバルのデータ活用を支える

2021年8月末にPoC終了後、導入に向けて成果が得られたと田中氏は話す。「本格的にERPからSnowflakeへどういうデータを流し込むかについて、PoCを実施したことでクリアになりました。これから2022年~2023年にかけて検証環境を構築し、実データを使ってBIツールで表示するテストを実施していく予定です」

今後の展望について田中氏はこう話す。「Snowflakeの導入によりグローバル共通基盤DWHを構築することで、ERPデータを使って、経営の意思決定に必要なレポートのタイムリーな提供はもとより、事業部門では予実管理や要因分析などができるようになります。ERP以外のデータソースにおいても、データサイエンスの基本を身につけた従業員が、データを業務に生かすことができる基盤になることを期待しています。これが、データドリブン経営の実現に大きく寄与します。またユーザの利用状況の可視化により、各部門に対し課金の根拠をデータとして提示できるため説明もしやすくなり、各部門のITコスト意識の向上にもつながります」

さらに田中氏は、「BIツールを使ったデータ活用を拡大するために、Snowflake側でのデータの持ち方や、ダッシュボードの視覚的な見せ方などをジールに相談にのってもらいたいと考えています。また、取引先やお客様との安全なデータ共有基盤として、Snowflakeのデータマーケットシェアリングに関心を持っています」と付け加える。

ブランドステートメント“Your Dreams, Our Challenge”のもと挑戦を続けるAGC。ジールは、DWH・BIのエキスパートとして同社におけるデータ活用推進を支援していく。

ユーザープロフィール

AGC株式会社

創 業

1907(明治40)年9月8日

本 社

東京都千代田区丸の内一丁目5番1号

事業内容

ガラス、化学品、ディスプレイ、セラミックスといったコア事業と、モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスの3つの戦略事業を展開

https://www.agc.com/

2018年に、旭硝子が社名変更し誕生したAGC。グローバル素材メーカーとして、自動車ガラス、フッ素樹脂など多くの分野で世界トップレベルのシェアを誇る。「独自の素材・ソリューションの提供を通じて、サスティナブルな社会の実現に貢献するとともに、継続的に成長・進化するエクセレントカンパニーでありたい」という“2030年のありたい姿”の実現に向けてさまざまな取り組みを進めている。

- 取材にご対応いただいた方 -

(写真左から)

AGC株式会社
情報システム部 グローバルIT戦略室 標準ERPグループ ネオ ウェイハン氏
情報システム部 グローバルIT戦略室 標準ERPグループ マネージャー 田中 丈二氏

株式会社ジール
ビジネスディベロップメント部 マネージャー 亀井 美佳
ビジネスディベロップメント部 上席チーフスペシャリスト 四釜 浩明

※本事例内容は取材当時のものです

製品ソリューション紹介

Snowflake

Snowflakeは、クラウド上で利用することを前提に開発されたDWHです。クラウド環境を最大限に生かし、コンピュートとストレージを分離した独自アーキテクチャにより、拡張性や大量同時実行処理など従来のDWHが抱えていた課題を解決します。また、使用したコンピュートとストレージのみ支払対象となる従量課金制によりコストの最適化を図ることができます。AWS、Microsoft Azure、Google Cloudといったマルチクラウドプラットフォームにも対応しており、ビッグデータを柔軟に有効利用することが可能です。

お客様が実現したいことに寄り添ったご提案をいたします。
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