
AGC株式会社 情報システム部 グローバルIT戦略室 標準ERPグループ マネージャー
田中 丈二氏
独自の素材・ソリューションで、世界中の人々の暮らしを支えるAGC。ガラス、化学品、ディスプレイ、セラミックスといったコア事業と、モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスの3つの戦略事業の両輪による「両利きの経営」で躍進を続ける。中期経営計画「AGC plus-2023」において、「両利きの経営の追求」とともに主力戦略に掲げたのが、「DXの加速による競争力の強化」だ。部門ごとの取り組みの深化や複合化とともに、DXによるAGCグループのビジネスモデルの変革に取り組み、競争優位性を築き、お客様と社会に新たな付加価値を提供する。
DXを加速させるためには、データ活用の拡大が重要なポイントとなる。AGCは、2025年までにデータサイエンスの一般教養を身に着けた人材5,000名、上級人材100名を育成する目標を掲げている。こうした取り組みのもと、AGCではデータ活用を支える全社の共通基盤の整備にも力を注いでいる。従来のデータ活用における課題について、AGC 情報システム部 グローバルIT戦略室 標準ERPグループ マネージャー 田中 丈二氏は次のように話す。
「多彩な事業を持つ当社では、仕入先、得意先、商流、物流などが事業ごとに異なっております。それらの事業を支えるシステム(ERP)はこれまで個別に構築してきましたし、またそのデータを対象とするBIシステムも同様でした。ERPの構築については弊社では近年「標準ERP」という考えに転換し、グローバルでの共通化の検討を進めています。付属するBIシステムについても同じ発想を採り、グローバル規模で、ERPデータを活用するためのDWHが必要という状況にいます。個別用途の小さな器ではなく、さまざまな用途に対応できる大きな器としてグローバル共通基盤DWHが求められました」