今回は、最近話題のAIデータ分析に焦点を当てて、AIデータ分析の概要やビジネスにおける活用方法、メリットなどについて解説します。併せて、AIデータ分析の導入における課題とポイント、サービス事例についてもご紹介しますので参考にしてみてください。
目次
- 感情分析を⾏うAI系SaaS「StoryAI」
- 生成AI活用DX推進支援サービス「Azure OpenAI Service 検証プログラム」
- ビッグデータ×AIを活用し、業務高度化・DXを支援「AI showcase」
AIによるデータ分析とは?
AIデータ分析とは、AIの技術を活用したデータ分析のことです。
AIデータ分析では、AI自らが大量のデータを解析することによってルールやパターンを抽出し、現状分析や未来の状況予測といった判断が可能です。小売業における商品の売上分析や顧客のニーズ予測、製造業における機器故障の予兆の察知など、さまざまなビジネスシーンで導入・活用されています。
そもそもAIとは?
AIとは「Artificial Intelligence」の略で、日本では人工知能と訳されます。
AIに明確な定義は存在しませんが、音声認識や意思決定といった、人間の脳内での処理をコンピュータによって再現する技術の総称を指すことが一般的です。
AIはビジネスの分野はもちろんのこと、日常のさまざまな技術にも幅広く導入されており、その範囲は現在も急速に拡大を続けています。
【AIの基本的な技術】
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機械学習(ML)
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ディープラーニング(DL)
AIは機械学習(ML)とディープラーニング(DL)という、2つの基本的な技術によって構成されています。
機械学習とは、膨大なデータを学習し、アルゴリズムに基づいて情報を分析する手法です。
一方のディープラーニングとは、人間の脳の神経回路を模倣したアルゴリズムに基づいて情報を分析する手法です。
ディープラーニングは機械学習の発展形といえる手法であり、より精度の高い分析を行うことが可能となっています。
ビジネスにおけるAIデータ分析の活用方法
冒頭でも述べた通り、AIデータ分析はさまざまなビジネスシーンで活用されています。
そこで本章では、AIデータ分析の活用方法について、実際の活用例と併せて解説します。
【AIのデータ分析でできることの例】
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商品の売り上げ・需要を予測する
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顧客のニーズを把握・予測する
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見積もりを作成する
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設備や機器の故障を予測する
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企業に適した人材を判断する
AIは文章・音声・画像・動画といった、さまざまなデータの分析が可能です。
AIが行うデータ分析は、従来の人間が行ってきたデータ分析と基本的に大きな違いはありませんが、AIは人間の処理スピードや正確性をはるかに上回る分析能力を持っている点が大きな特徴です。そのため、AIの活用によって人間では不可能な処理速度や範囲を可能にし、大幅な業務効率化が実現可能となっています。
AIに関するサービス【ジールの事例】
本章では参考として、株式会社ジールにおけるAIに関するサービス事例をご紹介します。
株式会社ジールでは、企業のDX化を加速させる先進的なソリューションサービスを提供しています。これまでの30年間で、合計1,000社を超える企業のDX化を支援しており、DX推進について「進め方がわからない」「一貫したサポートを受けたい」といった企業からご支持いただいています。
感情分析を⾏うAI系SaaS「StoryAI」
StoryAIとは、Storyを機械学習で感情分析し、改善点を提案するサービスです。
StoryAIによる感情分析は、動画や映像制作時に作成される絵コンテや漫画広告などの改善、ゲーム制作企画書のPDCAのチェックなど、エンタメ業界で主に活用されています。
その他、営業?プレゼンテーション資料の分析やWebマーケティング分析など、エンタメ業界以外の一般企業や自治体でも応?が可能となっています。
生成AI活用DX推進支援サービス「Azure OpenAI Service 検証プログラム」
現在、企業のDX推進において注目されているものとして「生成AI」が挙げられます。
生成AIを業務に活用すれば、生産性の向上が実現できると同時に、社内のデジタル人材の育成も期待できます。「Azure OpenAI Service 検証プログラム」は、社内のデータをセキュアに利用できる「Azure OpenAI Service」の環境を構築、それを利用・検証・有効性を評価することで、どのような業務に活用するのが適切か、活用シナリオを検討していくための第一歩を支援するサービスです。さらに、「Azure OpenAI Service(ChatGPT/GPT4)」の活用にとどまらず、データの蓄積・分析までが可能です。
ビッグデータ×AIを活用し、業務高度化・DXを支援「AI showcase」
「AI showcase」とは、さまざまなAI技術を体験できるプログラムです。
例えば、音声認識を活用することで、「自動議事録作成」「カスタマーセンターの顧客満足度向上施策」「商談における不正行為検知」といった機能に発展させることができます。
また、画像解析によって画像の判断をAI技術で自動化することにより、「品質管理」「検品自動化」「異常検知」といった、従来の作業プロセスを効率化することも可能です。
AIデータ分析を活用するメリット
AIデータ分析をビジネスに活用することによって、さまざまなメリットをもたらします。
そこで本章では、AIデータ分析を活用するメリットについて解説します。具体的には、以下のようなメリットが挙げられます。
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具体的なメリット例 |
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業務効率化につながる |
・現状把握・将来の予測がしやすくなる |
人員・人材に関わる課題解決につながる |
・人員不足を解消できる |
業務効率化につながる
AIデータ分析はより正確な現状把握や将来予測ができるため、適切な在庫管理や人材配置といった、さまざまな業務効率化を実現することが可能です。
また、文章や音声、画像など、幅広い種類のデータ分析が可能なため、データ分析の幅も広がります。
さらにAIによるスピーディなデータ処理により、意思決定もより迅速かつ有効なものとなり、全社的な業務効率化にも繋がることが期待できます。
人員・人材に関わる課題解決につながる
日本では現在も少子高齢化が加速しており、各企業にとって人材不足は深刻な問題ですが、処理可能な業務をAIに任せることによって、他に必要な箇所に人員を割けるようになり、体調不良や疲労による人為的ミスの削減にも繋がります。
また、採用活動にAIデータ分析を取り入れることにより、個人情報などから個人のスキルを適切に評価することが可能となり、優秀な人材の確保にも役立ちます。
AIデータ分析の導入における課題とポイント
AIデータ分析には多くのメリットがある反面、実際の導入には克服すべき課題がいくつか存在します。
そこで本章では、AIデータ分析の導入における課題とポイントについて解説します。具体的には、以下のようなポイントが挙げられます。
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適切なデータの収集・蓄積を行う
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データを処理・管理する環境を整備する
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AIデータ分析に特化した人材を確保する
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データの正確性を担保するには対策が必要
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プロフェッショナルの力も借りることで効率的・効果的な取り組みになる
適切なデータの収集・蓄積を行う
AIデータ分析のために大量のデータを集めたとしても、分析に必要なデータでなければ正確な結果を得ることは困難です。そのため、AIのデータ分析においては、まずは分析を通じて達成すべき目標を明確にする必要があります。
目標を明確にした上で、どのようなデータが必要になるのかを洗い出し、適切なデータを収集するためのプロセスを組み立てていきましょう。
データを処理・管理する環境を整備する
AIデータ分析においては、データを処理・管理する環境を整備することも重要となります。
というのも、AIによるデータ分析では大量のデータを処理・管理する関係上、情報漏洩などのリスクも考慮した管理システムの構築が必須となるからです。
環境やシステムの整備にはエンジニアを確保する必要がありますが、社内の人員だけでカバーしきれない場合には、外部へのサポート依頼も検討しましょう。
AIデータ分析に特化した人材を確保する
データ分析には、分析結果を解析して経営に役立つ情報を抽出する、データサイエンティストの存在が必要不可欠となります。
とはいえ、日本では現状、データサイエンティストの数が不足しており、さらにAIの知識を持ったデータサイエンティストとなると、非常に稀有な存在です。
そのような状況においては、AI技術に特化した支援サービスなどを利用するのが、現実的かつ効率的な人材確保の方法と言えるでしょう。
データの正確性を担保するには対策が必要
AIの技術は現在も急速に進化しているものの、まだまだ正確性に欠ける場面もあり、データの信頼性という部分では課題が残されています。
そのため、AIデータ分析を有効活用するためには、そのような課題の克服や対策が必要です。例えば、AIが取り込むデータに対して加工前処理(データの形式を整えたり、データのエラーやノイズを取り除いたりする処理)を行えば、分析結果の正確性も向上するでしょう。
プロフェッショナルの力も借りることで効率的・効果的な取り組みになる
AIによるデータ分析は非常に有用ではあるものの、自社の持っている知見だけでは十分に使いこなせていない、あるいは分析が非効率になっている可能性があります。
そのため、AIの知識だけでなく、データ分析のプロフェッショナルの力も借りることによって、より大きなメリットを享受できるかもしれません。
AIの知識を持った人材の確保ばかりが注目されがちですが、同時にこれまで人的に獲得したデータ分析の知見も活用できれば、AIの力と、データ分析に関する人的知見の相乗効果で、より効果的・効率的なAIによるデータ分析が実現するでしょう。
AIを利用したデータ分析の導入を検討中であれば、ジールがおすすめ
AIデータ分析は非常に多くのメリットをもたらす反面、その導入には克服すべき課題もいくつか存在します。そのため、AIデータ分析の導入に不安がある企業様も多いかと思いますが、その場合はぜひジールへご相談ください。
ジールは設立からデータ利活用の観点で、企業のビジネスを支えるサービスを提供しています。BIと親和性の高いAIをはじめ、RPA、ビックデータやクラウドなど最先端のスキルを常に導入し、さらに改善・進化させ続けています。
また、AIデータ分析において必要不可欠な「データを処理・管理する環境の整備」にあたる、DWHやETL製品にも豊富な知見を有しています。
さらに、AIとデータ分析を融合させたサービスもご提供しているため、AIデータ分析の導入を検討中であれば、この機会にぜひ一度お問合せ下さい。