公開日:2022年11月16日

更新日:2023年9月1日

このコラムは、Voicy をテキスト化し一部抜粋したものです。
今回はデータブリックス・ジャパン株式会社の竹下さんにインタビューした記事です。

前編では、AIがどのような業界で、どのように使われているのか伺いました。
後編では、AIを使ってみたいという方へ、データブリックスを導入し果たして成果はでるのか?という判断を
するためのフレームワークのお話、また導入すると実現できることを事例をもとにお話いただきました。

 

データブリックスソリューションアクセラレータとは

「データブリックスの製品は難しいのでは?」という声もありましたので、データブリックスで何が実現できるかというお話を
いたします。
まず重要な点は、データブリックスを使ってデータとAIを使って何を実現しようかという事をきちんと決めていく必要があり
ます。実は私たちはソリューションアクセラレータだと思っています。

我々は、小売業、製薬業、など各業界への知見がありますので、ぜひリピートして頂きビジネスを成功したいと言ったところで議論し進め
ていく取り組みです。

<補足> データブリックスソリューションアクセラレータは、さまざまな業界・業種に共通の主要なユースケースに対応する、フル機能の Notebook
やベストプラクティスを含む目的に特化したガイドです。ソリューションアクセラレータを使用することで、発見、設計、開発、テストに
かかる時間を短縮できます。発案から PoC までを 2 週間以内に完了できるよう設計されています。

▼参照元
https://www.databricks.com/jp/solutions/accelerators
 

「AIを使いたいが何に使うかわからない」という様に方向性が定まっていない状態から、ある程度形にしていくことが我々の使命ですので、
ぜひそういった場合は議論していきたいと思います。

また社内の場合ですが、我々の成果が出ないプロジェクトの場合データブリックスは売ってはならないと言われています。「成果をコミット
できるような形で導入する」というのが会社の方針です。

そのため、AIを使いたいお客様がいらっしゃった場合、成果が出るのかそうでないかきちんと見極めていく必要があります。弊社は見極め方
をフレームワークとして持っておりますので、その点はさほど難しいことではありません。

見極め目方にはポイントが三つあります。

● 一つ目は、データと機械学習を使って本当に価値が出る分野かを見極めます。 例えば売り上げが上がる、コストが削減できるといった点です。
弊社はグローバルで5,000社の実績があるため、ある程度の傾向が把握できています。

●二つ目は、AI導入のステップです。 実際に機械学習を行っていく上では、人や組織の連携が必要になります。すると人的コストがかかってきます。
そこでデータブリックスを用いると生産性が向上しますので、資料化する様なものを提供していくのが必要になります。

●三つ目は、クラウドです。 データとAIの環境を作る場合、難しいと思われがちなのですがデータブリックスを用いると数クリックで環境が作成できてしまいます。
その点はクラウドの素晴らしいところで、この数年のテクノロジーの変化は著しいです。それによりインフラ系のコスト削減が可能となります。

この三つにより、できるだけデータとAIのビジネス仮想化実現に向けてサポートさせていただいております。ただし、クラウドの導入がNGの
企業さまの場合は正直導入が厳しいのが現状です。その他、人的コストはかかっていないけれど、AIに関してのご相談を受けることもあり
ます。昨今のデジタルトランスフォーメーションにおいて、各社の課題に対して解決法をアドバイスすることもあります。

例えば工場で品質チェックを行う場合、人数を割いている、時間を割いているなど、人的コストに関するご相談は多いです。工場のパイプ
ラインなどの製造過程や、最近ではクレジットカードの不正利用、特にECが発達しているので少額決済の数が膨大になります。実はそれに
対して『守り』と『攻め』があり、不正利用もある程度発生してもお客さまには迷惑が掛からない様にプロアクティブに止めたりします。
これを専門用語で『ルールベース』と呼びます。

また別の例では、私がいつも百円しか持っていないのに、急に10万円使った場合は「これは違うカードです」という様なルールが書いて
あり止めることができるのですが、実はこのルールは裏を返すと犯人の手口に繋がる点になりますので、手口が変わればそれに対する
メンテナンスが非常に大変なのです。

そこを機械学習でAIを使い、なるべく手が掛からないような形にしつつ、あらゆるパターンを見つけ出したりします。ところが逆のパターン
もあり、正しいのにエラーと判定してしまうと、お客さまの決済を止めてしまうこともありますので、その両面でベストポイントを探してい
くのは重要な点です。

お客様がデータブリックス製品を導入した後も、メンテナンスに入ります。機械学習AIは一回実行すれば良いわけではなく、学習し続けな
ければなりません。そのため常にPDCAを話し合いながら、良い状態を保っていかなければなりません。


 

AIが変化に対応して学習していく上で心がけていること

弊社はまだ小さい組織ではありますが、共通のバックグラウンドを持ち、同じ思いを持っているメンバーが多く集まっています。創業者は
研究者たちです。それに対して我々日本のメンバーはデータやAIのテクノロジーが今まで普及できなかったこともあり、自省の念があります。
その点でも広く有効活用させ、特にビジネス的な成果を上げる、新しい製品開発に役立てる、もしくはノンプロフィットでも良いと思います
が、地球環境やESGなど役に立ちたい!という想いのメンバーが集まっています。

データブリックスという冠とは別に、ユーザー会というコミュニティを4月に立ち上げました。 このコミュニティでは、データブリックスに賛同してくださるお客さまや、企業さまにご登壇頂いたり、ご相談頂いたり、またディスカッ
ションなどを行っています。お客さまに伴奏・並走して進めていくことがコンセプトになります。データとAIの世界は一日頑張ったら終わ
りというわけではありません。常に改善をしつづけなければならないので、そういった意味でお客さまや、パートナーさまと並走して、
いいものづくりを上げていくという点を自分自身も含めて取り組んでいます。

 

ユーザーコミュニティ

JEDAI – The Data & AI Meetup – connpass

AIに関心はあるけれど、結局運用に繋がらなかったというお客さまが非常に多いため、前回もお伝えしましたが、やはり「テーマの選定」と
「導入して成果が出るのか」といったプランニングの検証が非常に重要だと思います。
小さい価値から重ねて周りのメンバーを巻き込んで大きくしていくというのは醍醐味であり、ステップとして重要だと思います。
そのためにも、AIに取り組むファーストアクションとして、コミュニティに入るのか、直接問い合わせるのか迷われると思います。コミュニ
ティには色んな状況の方がいらっしゃいます。コミュニティ自体が日本では先進的な事例も扱っておりますので、参考として見るのも良いと
思いますし、ディスカッションに参加する方法も良いかと思います。もしくはもう少し手前の段階で何をやって行きたいのかという事を、
ソリューションアクセラレータを利用し、業界の専門家にご相談して頂くのも良いかと思います。
その他、お困りごとがございましたらご相談頂ければと思います。(私は金融系を多く扱って参りました。)

<前編>データとAIの民主化 データブリックス竹下さん
https://www.zdh.co.jp/bi-online/voicy20221115/

 

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