公開日:2024年2月26日

更新日:2024年3月7日

データ活用は、現代の企業が成長していくうえで必要不可欠な手法です。データを有効に活用すれば、市場動向の把握や顧客行動の理解、マーケティング戦略の立案、業務プロセスの改善など、さまざまな課題が解決できます。この記事では、データ活用の基礎知識やデータ活用における課題、実際の企業の活用事例などを紹介します。

目次

データ活用とは?

データ活用とは、データを収集・蓄積し、それを分析や検証することで、企業のビジネスに役立てるプロセスのことです。

近年、インターネットサービスの普及やシステムの高機能化により、利用可能なデータの量が膨大に増えたこともあって、ビジネスにおけるデータ活用はますます進んでいます。

企業がデータを有効に活用すると、市場動向の把握や顧客行動の理解、マーケティング戦略の立案、業務プロセスの改善など、さまざまな課題が解決できます。

データ活用が求められる背景

さまざまな技術の進歩によって消費者のニーズや情報へのアクセス方法が多様化し、今や人力だけで全てに対応することは限界に達しています。
また、新製品やサービスの展開スピードも急速に増しているため、効率化を図るためにもデータ活用が求められています。

実際に業界のトップ企業は実際に次々とデータ活用を進めており、データ活用をしないと競合他社に遅れを取ってしまいかねません。
データ活用はビジネス現場での競争力を高めるために欠かせない手法であり、積極的な導入が求められています。

データ活用とデータ分析の違い

データ活用と似た言葉に「データ分析」があり、双方は含有関係にあります。

つまり、データ活用のプロセスの1つとしてデータ分析があるということです。

データ活用は、データの収集から分析、そしてデータ活用後の効果検証までの一連のプロセスを指します。一方、データ分析はデータを解析して、パターンや傾向を抽出する作業です。

このことから、データ活用とは、データ分析した結果、得られた知見を実際のビジネスに活かして、課題解決や意思決定を行うための手法といえます。

データ活用のメリット

データ活用は、企業に多くのメリットをもたらします。業務の効率化やコスト削減、意思決定、顧客ニーズの把握、競争力の向上など、ビジネスの成果を最大化するために必要といえます。

業務の効率化やコスト削減につながる

データ活用は、企業の業務効率化やコスト削減に大きく貢献します。

例えば、帳票作業の工程の内容と工数をデータ化し分析するシステムを導入すれば、自動的に対応できます。
また、工場のライン業務において発生するミスをデータ化し、発生箇所を特定して改善につなげることも可能です。

データに基づいた意思決定をすることで、無駄なコストを削減し、企業の収益性を向上させられます。

効果的にマーケティング施策を考えられる

データ活用は、効果的なマーケティング施策を考えるのにも役立ちます。

データ活用によって顧客の属性や購買行動、商品の売れ方の特徴や広告への反応などのデータを分析すると、現在の施策を見直せます。また、感覚だけではわからない新しい売り方のヒントを得られるかもしれません。

新規ビジネス立案につながる

データ活用によってコストカットや効果的なマーケティングを実現することで、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性もあります。

例えば、顧客の属性や購買意欲のデータを分析することで新商品を開発できます。
また、データ活用で得られた情報そのものの販売もできます。

データ活用は企業の成長に欠かせない要素であり、戦略的なビジネス立案には不可欠といえるでしょう。

適切かつ迅速な意思決定ができる

データ活用によって、適切かつ迅速な意思決定も可能となります。
データに基づいて判断や意思決定を行うことを「データドリブン」といいます。データドリブンでは、感覚や経験だけでは見逃しやすい課題やチャンスを早期に発見できます。
人の感覚を超えた市場や顧客行動の将来予測が可能となるため、より精度の高い意思決定が行えます。

データの力を活用することは、迅速に正確な情報を得て、ビジネスの成果を最大化するのにも役立ちます。

ジールのデータ活用の事例

株式会社ジールでは企業のDX化を支援しています。
30年以上の実績を持ち、これまで合計1000社以上の企業にサービスを提供してきました。長年の経験と専門知識を活かし、お客様の課題に合わせたデータ活用の提案を行っています。
特に、DX推進において進め方がわからない企業様や、一貫したサポートを求める企業様にご支持いただいています。

データ活用事例としては、マーケティングデータの分析による顧客行動の把握とターゲット設定の最適化、データ化による作業コスト削減などがあります。

株式会社ジールについて詳しくはこちら

建設業界のデータ活用事例:日揮ホールディングス株式会社様への導入事例

  • データ活用の風土づくりにPower BIの導入を検討

  • マイクロソフト認定パートナーであり、Power BIを活用したデータ分析や研修において実績が豊富なジールに相談

  • データ活用の取り組み状況に応じて、ジールが効果的なプログラムを提案

  • 各部門の業務で扱っているデータを、具体的にPower BIで可視化してレポートにする取り組みも進む

  • Power BIのコミュニティを社内のTeams上に立ち上げて、Power BIに関する情報や事例などの共有に役立てている

日揮ホールディングス株式会社様への導入事例の詳細はこちら

サービス業界のデータ活用事例:株式会社トラストバンク様への導入事例

  • ふるさとチョイスのサービス強化に向けて統合データ分析基盤の整備・構築に踏み出す

  • プラットフォームにGCPを採用

  • GCPを活用した統合データ分析基盤を構築するにあたり、トラストバンクがパートナーとして選択したのがジール

  • すべてリモートの対応にもかかわらずジールの導入・構築支援により、約6カ月で大規模データ統合分析基盤を構築

株式会社トラストバンク様への導入事例の詳細はこちら

金融・保険業のデータ活用事例:株式会社クレディセゾン様への導入事例

  • ジールは、過去にもクレディセゾンの他の分析システムを構築した実績があった

  • パーソナライズされた情報をより一層タイムリーにお届けするため、統合的なデータ基盤「セゾンDMP」の構築が決定

  • ジールが分析環境の構築と、データの可視化および分析の簡易化を実現するためのBIツールを、クレディセゾンの要望に沿った製品を絞り込んだ上で提案ITの知識がなくても誰でも簡単にデータを活用できるツールの選定が課題だったクレディセゾンにとって、Tableauは分析のハードルを大きく下げることができる製品だと評価され、Tableauの導入に至った

  • システムに詳しくない社員がBIツールを使いこなし、分析エキスパートとして活躍

株式会社クレディセゾン様への導入事例の詳細はこちら

製造業のデータ活用事例:日清食品ホールディングス株式会社様への導入事例

  • これまでの勘や経験に依存したビジネス活動から、客観的なデータに基づく意思決定、行動へシフトさせていく、という経営陣の強い決意があった

  • データドリブンの経営の推進に向け、データプラットフォームの構築と拡大に着手

  • 日清食品グループのデータプラットフォーム構築・運用を伴走支援してきたのが、ジール

  • データプラットフォームの内製化を前提とした伴走支援を提供してくれるジールを高く評価

  • ジールは新規導入するDWHの選定をサポート

  • システムと人材の両面でデータドリブン経営を加速

日清食品ホールディングス株式会社様への導入事例の詳細はこちら

小売業のデータ活用事例:株式会社パリミキホールディングス様への導入事例

  • マネージド型クラウドサービスのEOLが目前にさらなるデータの高度活用が可能な基盤への移行が急務に

  • 基幹系システムの次世代基盤にOracle Cloud Infrastructureを採用

  • オラクルのソリューションに関して高い知見と多くの実績を持つ企業として、日本オラクルから紹介を受けたのがジールとの出会い

  • ジールの的確な支援により、円滑なプロジェクトの進行と移行後の安定稼働を実現

  • 運用管理性とパフォーマンスを大幅に向上

株式会社パリミキホールディングス様への導入事例の詳細はこちら

活用できるデータの種類

企業はさまざまなデータの種類を活用することで、課題解決やビジネスの最適化を図ることができます。ここでは活用できる3種類のデータとその例についてご紹介します。

オープンデータ

データ例

気象データ、交通量・渋滞情報データ、犯罪率、自治体の給付金情報、労働力調査

など

オープンデータは、国や地方公共団体が公開している無償で利用できるデータです。誰でも利用できるため、個人や企業などに広く利用されています。ビジネスにおいては市場動向や地域の特性を把握し、戦略立案や新たな価値創造に活用されています。

オープンデータは、さまざまなイノベーションの源となり、社会課題解決や新たなビジネスモデルの創出に貢献するデータです。

企業データ(産業データ)

データ例

M2Mデータ、暗黙知データ(知のデジタル化)

など

企業データとは、企業がその活動中に独自に収集するデータを指します。企業データには、M2M(Machine to Machine)データや暗黙知データが含まれます。M2Mデータとは、工場や生産現場でIoT機器を通じて収集されるデータです。暗黙知データは知のデジタル化とも呼ばれ、パーソナルデータ以外の産業や企業が持っているデータを指します。

企業データは、企業の効率化や新たなビジネスチャンスの発見に貢献します。

パーソナルデータ

データ例

個人の属性情報、移動・行動・購買履歴、ウェアラブル機器から収集された個人情報

など

パーソナルデータとは、個人情報だけでなく、個人との関係性が見出されうる広範囲のデータを指します。パーソナルデータには、個人の属性情報、移動、行動、購買履歴など多岐にわたるデータが含まれます。特定の個人とは特定できないように加工された情報もパーソナルデータの一部です。

データ活用の手順

効率的、かつ効果的な結果を得るためには正しいデータ活用のプロセスを踏むことが重要です。ここではデータ活用の手順について、1つずつ詳しく解説していきます。

1.データ活用の目的設定

データ活用をするにあたって、まず目的を考えることが重要です。データ活用には無限の可能性があるため、明確な目的を設定しないと途中で迷いが生じます。

例えば、「顧客満足度の向上」や「生産コストの削減」などの具体的な目標を定めるとよいでしょう。また、「売上〇%向上」のように数値を設定することで、データ活用の成果を客観的に評価しやすくなります。

2.データの収集・蓄積

データ活用の目的を設定したら、決定した目的にもとづいてデータの収集と蓄積を行います。データ収集をするときは、どのようなデータが必要かをあらかじめ慎重に検討することが大切です。また、データの量と種類が多ければ多いほど、分析の質が向上します。社外のオープンデータを含めた、さまざまなデータも積極的に活用しましょう。

3.データの加工・修正

データ収集ができたら、図表やグラフといった形で活用しやすいように加工します。この工程では、データを視覚的に理解しやすい形にすることが重要です。また、データの中には不要なものや誤った情報が含まれることもあるため、適宜修正も行う必要があります。データの正確性が保たれているかチェックしながら加工を進めましょう。

4.データの分析

データを図表やグラフにできたら、そのデータを慎重に観察して、有意な情報を抽出します。一定のルールで繰り返される規則性や、全体から突出している異常値がないか、目を向けてみましょう。ほかにも、データの因果関係や相関関係といった法則性がないか、さまざまな角度から試行錯誤してみることが必要です。

5.アクションプランの策定と効果検証

データの分析ができたら、データ分析で見つかった法則や傾向をもとに、目標達成のためのアクションプランを策定します。アクションプランには、目的に沿った具体的な行動を盛り込みましょう。プランを実行したあとは、評価をします。プランの有効性を評価する時にもデータを活用すると効果的です。

データ活用を成功させるためのポイント

データ活用を成功させるにはいくつかのポイントがあります。ここでは、特に重要な以下3つのポイントをご紹介します。

活用可能なデータを把握する

データ活用を成功させるには、自社で活用できるデータをあらかじめ把握することが重要です。どのデータが使用できるかを知ることで、特定の課題に対して適切にデータを活用する計画が立てられます。日本の企業では、POS(Point of Sale:販売時点情報管理)やeコマースの販売記録、MtoM(Machine to Machine)データなどのデータの活用が進んでいます。

データ分析に必要なリソースを確保する

データ活用を効果的に行うためには、統計学や自社ビジネスを理解しており、データ加工ができる、多彩なスキルを持つ人材が不可欠です。これらのスキルを持つ人材が社内にいない場合は、育成するか外部から招く必要があります。また、データ分析は専門的な作業であり、専任の担当者を置くのが望ましく、それに伴う費用や環境の整備も必要です。

BIツールやサポート企業を活用する

データ活用のための人材や時間の確保が難しい場合、BIツールや外部企業を頼るのも1つの手段です。

BIツールはビジネスインテリジェンスの略で、データ分析を簡単かつ効率的に行うためのツールです。また、ソリューション提案、構築、運用、定着支援など、データ活用の全プロセスを支援するサポート企業も存在します。株式会社ジールでもBIツールの提供やデータ活用の全般的なサポートを行っています。

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データ活用の課題

データ活用は多くの企業にとって欠かせない取り組みですが、実装にはいくつかの課題も存在します。
ここでは、これらの課題とその解決策に焦点を当てて解説します。

一定のコストがかかる

データ活用には、データ収集、蓄積、分析といった一連の作業に多大なリソースが必要です。
例えば、データ蓄積のためのシステム改修、BIツールの導入、スタッフの育成や外部人材の活用など、膨大な時間だけなくコストもかかります。
最初はエクセルなどを使って低コストで始めることもできますが、本格的に取り組む場合には相応のコストがかかることを覚悟しましょう。

最低限の知識・スキルが必要

データ活用では、データの種類や性質を理解する知識とスキルが必要です。
最低限の知識やスキルがないと、データ分析や効果検証が正確に行われない可能性があり、逆効果になりかねません。
データ活用に関わる人材に学習機会を設けたり、スキルを持つ人材を確保したりすることも必要です。

客観的な視点に立つ

データ分析において、主観的な解釈は結果をゆがめる可能性があります。
客観性を保つためには、複数のメンバーで分析を進めたり、外部のアナリストを招いたりするのが効果的です。
これにより、一方的な見解や偏見に基づく解釈を避けることができるでしょう。
より正確で信頼性の高いデータ分析をするには、客観的な視点が欠かせません。

個人情報の管理に注意する

データ活用の過程では、電話番号や住所などの個人情報データを一緒に管理することがあります。
そのため、データ活用にあたっては、個人情報データが第三者に漏えいしないよう、セキュリティ面に十分な注意が必要です。
データの暗号化、閲覧権限の厳格な管理、適切なセキュリティソフトの導入など、さまざまな対策を講じることで、個人情報の安全を保ち、リスクを最小限に抑えることができます。

データ活用の関連用語

データ活用には多くの専門用語が存在します。以下では、データ活用に関連する主要な用語を簡潔に解説します。

データドリブン

データドリブンは、データ分析の結果をもとに計画立案や意思決定を行うことを指します。データ活用と同義で使われることもありますが、より広範な概念として用いられることが多いワードです。

データドリブンについてさらに詳しく見る

ビッグデータ

ビッグデータとは、人間だけでは把握が困難な多種多量のデータ群のことです。通常、Volume(量)、Variety(多様性)、Velocity(速度・頻度)の3つのVを、高いレベルで備えた情報と定義されます。

ビッグデータについてさらに詳しく見る

DX

DXはDigital Transformation(デジタル トランスフォーメーション)の略語です。DXとは、デジタル技術を活用して自社の競争力を高める取り組みのことを指します。

DXについてさらに詳しく見る

IoT

IoT(Internet of Things)は、モノのインターネット化といわれます。IoTは、従来ネットに接続されていなかった、さまざまなモノをインターネット化して、情報収集や遠隔操作を行えるようにするという考えを指す言葉です。

正しい手順やポイントを押さえてデータ活用を成功させましょう

この記事では、データ活用について詳しく解説しました。
データ活用を成功させるには、統計学や自社のビジネス、データ加工についての知識やスキルのある人材や膨大な時間、コストなどが必要です。
データ活用のための人材や時間の確保が難しいなら、BIツールや外部企業を頼ってみてもいいでしょう。

株式会社ジールは、データ活用を通じてこれまで1,000社以上の企業をサポートさせていただいております。
データプラットフォームの構築からBI・AIによるデータ可視化・予測、さらにはDX人材育成まで、総合的なDX推進事業を展開しています。
また、お客様の課題にあった自社製品やSaaSの開発・提供、CCoE・SRE支援やデータサイエンス領域へとサービスの幅を広げています。
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