先端技術が切り拓く
新たな時代に求められるものとは?

今や「AI」が当たり前に認知される時代となり、私たちがトップランナーとして走り続けてきたビジネスインテリジェンス(BI)の世界にもドラスティックな変化が起こり始めている。先端技術に携わる社員たちに、ジールの仕事は今後どう変わるのか、そして、先端技術によってビジネスはどう変化していくのか、それぞれの思いを語ってもらった。

参加メンバー

梅田 信介Shinsuke Umeda
大学卒業後、1年ほどSIerで営業職を経験後、2004年にジールへ転職。入社当初はJavaや.NETのプログラム開発などを経験。現在は約70名が所属するデジタルイノベーションサービスユニットのユニット長として、プロジェクトの推進にも携わりながら、組織づくりや、ジールの対応領域拡大に向けた取り組みを牽引している。
鈴木 祐司Yuji Suzuki
SIerに7年ほど勤務し、システム開発、サーバーインフラの構築、自社製品の企画開発などを担当。その後大学院に進学し、2015年にジールへ転職した。現在はアプライドアナリティクス&インテリジェンスユニットに所属し、企業へのAI・データ分析関連のクラウドサービス導入提案などを行っている。
千葉 勝仁Katsuhito Chiba
2017年に新卒社員としてジールに入社。入社当初はオンプレミスでの環境構築などに従事。その後も機械学習に関連するプロジェクトや小売業のデータ分析などを担当。現在はデジタルイノベーションサービスユニットに所属し、リーダーとして幅広い案件に対応している。
池 守垠Sueun Jee
大学時代にはITではなく神経科学の勉強をしていたが、2018年に新卒採用でジールに入社。
現在はアプライドアナリティクス&インテリジェンスユニットに所属し、企業のデータ分析に取り組む。分析結果に基づいた提案活動や、新規事業の立ち上げなどにも関わる。
SECTION01

BIを取り巻く技術の進歩と世の中の変化

梅田
私がジールに入社した16、7年前は、そもそもビジネスインテリジェンス(BI)という考え方自体が定着していませんでした。
「BusinessObjects」や「Cognos」といった製品はありましたが、当時はまだレポーティングツールのような位置づけで、そこから大手メーカーにBIツールが買収され、2008~2010年あたりから高度化が進み、製品の機能が拡充されていきました。以前はデータ量もそれほど多くありませんでしたが、現在ではデータが増大し、アプライアンス型のデータベースの登場などによって技術レベルも格段に向上しています。
鈴木
ここ最近の一番の変化は、やはりクラウドサービスの台頭ですね。数年前は単にサーバーインフラをオンプレミスからクラウドに移行するケースが多かった認識でしたが、ジールに転職してみて、クラウドサービスとデータ分析は非常に相性が良いことに改めて気づかされました。例えば、企業内のデータを可視化・分析して意思決定の支援を行う場合、以前はデータが見える・使えるようになるまでの準備にもそれなりのコストが掛かりました。そのため、事前に取り組みの費用対効果を算出しづらいことがネックとなり、データ活用になかなか踏み切れないといったケースがよくありました。ところが、クラウドサービスが登場したことで、初期費用を低く抑えられるようになり、トライアルしやすい状況が生まれています。ちょうど潮目が変わり始めたのは「AI元年」と言われた2016年頃のことで、以降は世間の注目度も一気に高まりました。
千葉
私が入社した時点では、まだオンプレミスの環境が多かったと記憶しています。私が大きな変化を感じるのは、「セルフBI」という言葉が流行り始めたことでしょうか。現在では、企業のみならず、個人でも自分のデータを分析する流れが浸透し始めています。鈴木さんが話したように、クラウドによってコスト面の敷居が劇的に下がったことで、企業のクラウド環境を使って個人がデータ分析をするといったことが出てきていますね。
私は2018年に入社していますが、その頃にはすでにジールの案件はクラウドが主流になっていました。千葉さんの1つ下の年次になりますが、このあたりでクラウドへの移行が急速に進んだということなんでしょうね。
梅田
クラウドサービスを使えば、以前のようにPythonやJavaをバリバリ書かなきゃいけないといったことがなくなり、その分、分析に使う時間、結果に基づいて意思決定する時間に割り当てられるというのが一番の変化だと感じます。
鈴木
私も同意見です。以前であれば、サーバーやデータを置くストレージを用意し、ツールを入れることで初めてできたことが、データさえあればとりあえずクラウドで始められますから。
梅田
以前とはスピード感が全然違いますよね。
鈴木
2016年~2018年頃は「データを持っているので、とりあえず分析してみて」といった依頼がたくさんありました。しかし、実際にデータ分析を行う際は、データの特性を十分理解していなければ、結果が正常値なのか異常値なのかも判断できません。データを理解しているお客様と一緒に取り組むことで、初めて意味のある結果が出せるわけです。
千葉
ええ。ジールだけに任された場合、数字上で分かることもありますが、そこに業務の知識が入っていなければ十分に活かせない。やはりお客様と一緒に取り組むことが重要なポイントになってきています。
梅田
「AI元年」と呼ばれていた頃は、自分たちの業務にどう生かせばいいのか、お客様自身も分かりかねていました。最近ではDXという言葉も定着し、実証段階のプロジェクトではなく、実際にお客様の課題を一気に解決するような要求が増えてきたという印象です。
鈴木
以前は、あくまで意思決定の補佐的な役割を果たしていたものが、実際の業務プロセスに組み込まれる形へとステージが変わってきていますよね。
梅田
こうした先進的な取り組みをしているのは、各業界のリーディングカンパニーが多いわけですが、最近では「当社も遅れていてはまずい」と追従する企業が確実に増えてきていると感じます。
SECTION02

ジールならではの強みや同業他社との違い

鈴木
ITシステム業界的には、基幹系と情報系の大きく2つに分かれるわけですが、ジールは情報系にあたる企業です。元基幹系SIerの立場から見てみると、使っている技術要素はほぼ同じでも、全然違うところがあります。それは、お客様とのビジネスの距離が圧倒的に近いこと。お客様の要件をお聞きし、その通りに作るという点は一般的なシステム開発と同じですが、ジールの場合、システムを構築したうえで、お客様が持つデータをどう活かすのか、どういうデータと掛け合わせて比較し分析していくのかといった、よりお客様の意思決定や業務の核心的な部分のやり取りが多い。そこに軸足を置いているのが一番の違いです。
ジールでは、とにかく様々なメーカーさんの製品を触る機会が多いですよね。この製品にやっと慣れてきたなと思ったら、次の案件に移行し、全く違う製品を扱うことになることも少なくない。常に新しいことを覚えなければいけない点に苦労します。ただ、その分、お客様から直接問い合わせが来た時には、こうした経験が強みとして生きてくると感じています。さまざまな製品との比較が自然と出来るようになりますから。
千葉
引き出しは多くなりますよね。それをどう活かすのかを考えていけば、怖いものなしというか。池さんの立ち位置であれば、特にそれができる気がします。もちろん一つの製品を極めることにも意味はありますが、いろんな引き出しを持つことは必ず生きてきますよね。
梅田
池さんはまだ入社3年目にも関わらず、製品に関する幅広い知識を持っていることに加え、お客様が持つデータをどのように分析すればいいのかを提案することまで担当している。池さん自身はあまり自覚がないかもしれませんが、他のSIerで働く同世代のエンジニアに比べて、かなりすごい仕事をしていると思いますよ。
千葉
私も池さんと同じように、入社2年目くらいまでは、案件ごとに取り扱う製品が変わる点が大きな悩みでした。ただ、製品が変わるごとにいかに早くキャッチアップするかを考えるように思考を切り替えたところ、結果的にどんな製品を触ってもなんとなく分かる力が身に付いた気がします。また、テンプレートの基盤構築、機械学習、さらには分析やクラウド構築なども経験し、他社では得られない幅広いスキルが習得できたと思います。
鈴木
私たちも千葉さんには助けられることが多いです。千葉さんのようなプレイヤーに入ってもらうことで細かな部分もキャッチアップできますし、お客様との会話もうまい。お客様からの信頼も厚く、「千葉さんがいるから納得してもらえる」といった状況も生まれていて、本当にすごいと思います。
梅田
他社との違いについては、情報系のシステムであれば一気通貫で対応できる点だと自負しています。情報活用の分野であれば、お客様のビジネスの状況整理から、課題の解決に向けたソリューションの提案まで行う。システムを開発し、その運用から定着支援まで、すべてジールで対応できるのが何よりの強みです。先端技術という点では、きちんと経営面で機能させることを目標にプロジェクトを進めている点がポイントだと思います。小売業であれば、顧客を増やし、いかに売上を増やすのか。製造業であれば、生産性を向上させてコストを削減するといったところにフォーカスして技術を活用している。「ITで経営をデザインする」という考え方で取り組んでいるのが大きな違いですね。
鈴木
やはりその点ですよね。もちろん技術は必要ですが、その技術を売りにするよりも、いかにお客様の視点で貢献できるかを意識している会社だと思います。大きなシステムを作ることが目的なのではなく、小さく始めて成功するのであればそれでいい。お客様のためにどうすればいいのかを常に考えています。私たちはノウハウを隠すのではなく、むしろ積極的に提供することでお客様自身に理解してもらい、必要な時に必要な支援を提供する形で一緒に取り組みましょうというスタンスですから。
SECTION03

ジールのこれからと今後の目標

鈴木
昨今は、ある業務でAIを使うとなった場合、そのAIがどういった特性を持ち、お客様のビジネスにどんな変化が起こるのかというストーリーを整えたうえで、お客様を納得させられるだけのプロセスを提示しなければいけなくなっています。そのために必要な能力は、データ分析だけでは足りないし、エンジニアリングやコンサルテーションだけでも完結できない。すべての能力をある程度のレベルで兼ね備えていないといけないわけです。このあたりをみんなが身に付けられると、ジールの立ち位置も変わってくると感じています。
現在は、さまざまな製品をメーカーさんと一緒に提案する機会が多いわけですが、今後は、お客様からジールに直接問い合わせがあり、私たち自身が最適な技術や製品を選択して提案できるようなプロジェクトを増やしていきたいと思います。また、将来的にはジールのビジネスを国内だけでなく海外にも広げ、特に私の出身国である韓国にジールの事業を拡大させていきたいです。
千葉
私も鈴木さんと考えが似ているのですが、「BIしかできない」という部分を変えていかないといけないと感じています。BIはもちろんできるけれど、それ以外の手段も持っていて、お客様からの要望に対して幅広い提案ができることが重要だと思います。それぞれの社員が詳しい分野を持ちながら、他のこともちゃんとできる。そんな人が増えていくのが理想ですよね。私自身、1年目は一つのことを突き詰めた方が安心だと思っていましたが、今はいろんなことを触っているからこそできることがあると感じています。これからも幅広い技術に触れていきたいですね。
梅田
ジールの立ち位置を改めて考えてみると、「ジールはSIerでもあり、ジールでもある」というのが一番しっくりくる表現だという気がします。データを活用・分析するためには、その情報の鮮度や精度が高いレベルで担保されていないといけません。正しい結果を間違いなく得るためのシステムを作るためには、SIerとしての高い技術力が欠かせない。これが絶対条件としてあり、さらにその先の分析もできることが大事になるわけです。ジールの社員には、こういった部分を改めて理解してほしいと思います。私は最近、メンバーの方たちに「お客様に言われたものを作るんじゃない」と伝えていますが、その真意は「お客様の要求事項の芯にあるものが何かをきちんと探りなさい」ということ。お客様がどんなシーンでシステムを使い、結果的にどんな業務の意思決定に使うのかをちゃんと理解したうえで、お客様と語り合いながらシステムを構築しなさいということです。こうした経験を積んでいくことが、一人のエンジニアとしてものすごく価値があることだと思います。